• 03-5926-5131
  • power8@nouminren.ne.jp

涼しく、ミツバチたちの送風

涼しく、ミツバチたちの送風

盛夏がやってきました。
温度計の表示は、照りつける日光で、朝8時には38度を超えている今日この頃です。

農民連食品分析センターで屋上暮らしをしているニホンミツバチの巣箱は、簡易の日よけがあるとはいっても、これから照り焼きの状態が続いていきます。巣内の温度が40度を超すこともあるようです。

ちなみにニホンミツバチの熱耐性については、おもしろい話があります。玉川大学の研究報告によれば、ニホンミツバチの上限致死温度49度であることがしめされています。一方、ミツバチの巣を襲う天敵スズメバチの上限致死温度は45度前後だそうです。致死温度に3~4度の差があります。この差を利用し、ニホンミツバチはスズメバチと闘う習性があることが知られています。

ニホンミツバチは、スズメバチが追い返せない厄介な状況が発生すると短時間ではありますが、一か八かで、襲ってきたスズメバチを数百匹で包み込み、中心温度47度ほどの熱球を作り出し、スズメバチを蒸し焼き、退治してしまうのです。このスズメバチを包み込む行動を、「熱殺蜂球形成」と呼ぶそうです。

そんな熱耐性があるニホンミツバチですが、子育ての暑さ対策はしっかりしています。入口に数匹並んで、羽で巣内に送風するんですね。

数万匹がみっちり暮らしている熱気ムンムンの巣内に、このけなげな送風行為が、どのぐらい効果があるのか謎ですが、ちょっとでも気流さえあれば、温度差が大きい分、それなりの効果があるのかもしれません。

ちなみに、送風するときニホンミツバチは、ビデオのようにお尻を入口に向けて行います。セイヨウミツバチは、これの逆で、頭を入口に向けてやるんだそうです。そういう修正にも違いがあるんですね。

文献

Unusual thermal defence by a honeybee against mass attack by hornets, Masato Ono, Takeshi Igarashi, Eishi Ohno & Masami Sasaki, Nature volume 377, pages334–336 (1995) .

power8s