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Category Archiveかだんレポ

涼しく、ミツバチたちの送風

盛夏がやってきました。
温度計の表示は、照りつける日光で、朝8時には38度を超えている今日この頃です。

農民連食品分析センターで屋上暮らしをしているニホンミツバチの巣箱は、簡易の日よけがあるとはいっても、これから照り焼きの状態が続いていきます。巣内の温度が40度を超すこともあるようです。

ちなみにニホンミツバチの熱耐性については、おもしろい話があります。玉川大学の研究報告によれば、ニホンミツバチの上限致死温度49度であることがしめされています。一方、ミツバチの巣を襲う天敵スズメバチの上限致死温度は45度前後だそうです。致死温度に3~4度の差があります。この差を利用し、ニホンミツバチはスズメバチと闘う習性があることが知られています。

ニホンミツバチは、スズメバチが追い返せない厄介な状況が発生すると短時間ではありますが、一か八かで、襲ってきたスズメバチを数百匹で包み込み、中心温度47度ほどの熱球を作り出し、スズメバチを蒸し焼き、退治してしまうのです。このスズメバチを包み込む行動を、「熱殺蜂球形成」と呼ぶそうです。

そんな熱耐性があるニホンミツバチですが、子育ての暑さ対策はしっかりしています。入口に数匹並んで、羽で巣内に送風するんですね。

数万匹がみっちり暮らしている熱気ムンムンの巣内に、このけなげな送風行為が、どのぐらい効果があるのか謎ですが、ちょっとでも気流さえあれば、温度差が大きい分、それなりの効果があるのかもしれません。

ちなみに、送風するときニホンミツバチは、ビデオのようにお尻を入口に向けて行います。セイヨウミツバチは、これの逆で、頭を入口に向けてやるんだそうです。そういう修正にも違いがあるんですね。

文献

Unusual thermal defence by a honeybee against mass attack by hornets, Masato Ono, Takeshi Igarashi, Eishi Ohno & Masami Sasaki, Nature volume 377, pages334–336 (1995) .

ハナバチ訪問

キオビツヤハナバチとハナビシソウ

茨城の種まき参加者さんからレポートが届きました.

かだんにアリッサム,ファセリア,ファイブスポット,ヒメアラセイトウなどのミックスシードを蒔いたそうです.お花も咲き乱れて,とても賑やかな様子です.

楽しみのみつばちにはまだ出会えていないということでしたが,花粉や蜜好きの蜂たちが訪花してくれているそうです.

上の写真は,ハナビシソウにとまっているキオビツヤハナバチですかね.体に一杯花粉をつけて,ふさふさです.下の写真は,ナミハナアブぽいですね.気にしてみるようになると,いろいろな訪花昆虫がいることに気がつきます.

ナミハナアブとファイブスポット


クローバーとみつばち

6月,クローバーの開花が賑やかな季節になりましたね.

近所の公園で,待ち構えていると,ニホンミツバチやセイヨウミツバチが,忙しそうに蜜集めに訪れているのを観察できるはずです.

みなさんも,クローバーの白い花を見かけたら,のんびり観察してみてはどうでしょう.みつばちが身近にいるのに,気づいていなかったってことに驚きますよ.

プロジェクトはじまりました

 最近、身の回りで、みつばちを見かけましたか?みつばちがいなくなったと感じていますか。

 さまざまなメディアで、みつばちが減っていることが伝えられています。その原因は、その一つは、ネオニコチノイド系農薬や薬剤耐性ダニなどともいわれていますが、まだ未解明の部分も多いようです。

 研究が続けられている今日ですが、みつばちが減っている理由のうち、比較的わかりやすいものに、蜜源や花粉源が減ってきているというものがあげられています。

 もし、蜜源が足りないのなら、私たちの手で、一年を通して蜜や花粉が集められる環境を作って上げれば、蜂たちはもっと元気に暮らしていけるのかもしれません。農村では、空いている土地のどこかに、住宅街ではお庭や鉢植えに、みつばちが喜ぶ植物を植えてあげたら、いいことが起きるかもしれない、そんな期待を込めて、このプロジェクトが始まりました。

 取り急ぎ、ミツバチたちが好む植物で、1年間、花をリレーできそうな種、そして、農村では何かと扱いやすい緑肥系植物の種などを選びました。本当は、地域にある在来植物を選びたかったのですが、それはまた次のステップ。まずはミツバチたちが訪問してくれるかを、みなさんの力をお貸しいただきながら、この取り組みが本当にみつばちを呼んでくれるかから、確かめたいと思います。

 みなさんの参加をお待ちしています。