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はじめに

遺伝子組換えナタネの調査および分析法について

  • 2006年3月22日から5月4日までの期間、千葉県中央港(2006.03.21)、千葉県利根川沿い(2006.03.31)、茨城県鹿島港(2006.03.31)、茨城県取手市利根川周辺(2006.04.07)神奈川県横浜港(大黒ふ頭周辺、2006.04.14)、静岡県清水港(2006.05.01)、愛知県名古屋港(塩見ふ頭周辺、06.05.02)、三重県四日市港(2006.05.03)、三重県国道23号線沿い(2006.05.03)、兵庫県神戸港(深江浜周辺、2006.05.04)の9地点、9回から道路脇などに生えているナタネや西洋カラシナなどBrassica属と判断できる植物をサンプリングしました。昨年の調査地点に利根川沿いと横浜港、清水港、神戸港を加えた調査となっています。
  • 採取地点の地図は以下の通りです。
  • 試験対象とした検体数は121検体になります。
  • 遺伝子組換えの検査は、イムノクロマトキットとPCR法を使用しました。「イムノクロマト法」で陽性の結果となったものについて、PCR法による確認試験を行い、両結果が、陽性となったもののみを「遺伝子組換え」と判定しました。イムノクロマトキット(ラテラルフロー法)は「NEOGEN社製アグロスクリーン(R)CP4ストリップテスト大豆コーン用」によるグリホサート耐性発現タンパクCP4EPSPSとSDI製TraitコーンバルクテストLLによるグリホシネート耐性発現タンパクBar(Pat)についておこないました。
  • PCR法ではグリホサート耐性タンパク発現遺伝子CP4EPSPS、ブロモキシニル耐性タンパク発現遺伝子Oxy、グルホシネート耐性タンパク発現遺伝子bar、およびそれぞれのSpecific遺伝子の増幅の有無を確認しました。
  • イムノクロマトキットによる検査方法は別ページ記載の方法に準拠しておこないました。
  • PCR法による検査方法はJAS遺伝子組換え食品検査マニュアルに準拠するよう設計しておこないました。
  • 調査はビデオによる撮影を行い、その調査および地点の概要について、確認できるように作成しました。ビデオはこちらのページから見ることができます。

    遺伝子組換えナタネ調査隊2006:ビデオポッドキャスト

分析結果

港湾名
ID
サンプル名
結果
メモ
千葉県中央港 1 社会保険事務所前交差点 検出せず 千葉市中央区中央港1丁目17番3号
2 中央分離帯1 グルホシネート耐性 千葉市中央区中央港1丁目19番
3 中央分離帯2 検出せず 千葉市中央区中央港1丁目19番
4 中央分離帯3 検出せず 千葉市中央区中央港1丁目19番
5 中央分離帯4 グリホサート耐性 千葉市中央区中央港1丁目19番
6 Toyota Net's グルホシネート耐性 千葉市美浜区新港70-1
7 千葉県米穀前水路 グリホサート耐性 千葉県千葉市美浜区新港10
千葉利根川沿
8 矢口堤防前1 検出せず 千葉県印旛郡栄町須賀1997-3
9 矢口堤防前2 検出せず 千葉県印旛郡栄町須賀1997-3
10 矢口堤防前3 検出せず 千葉県印旛郡栄町須賀1997-3
11 矢口堤防前4 検出せず 千葉県印旛郡栄町須賀1997-3
12 矢口堤防前5 検出せず 千葉県印旛郡栄町須賀1997-3
鹿島港 13 カシマ木滝1 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
14 カシマ木滝2 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
15 カシマ木滝3 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
16 カシマ木滝4 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
17 カシマ木滝5 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
18 カシマ木滝6 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
19 カシマ木滝7 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
20 カシマ木滝8 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
21 カシマ木滝9 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
22 カシマ木滝10 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
23 カシマ木滝11 検出せず 茨城県鹿嶋市木滝
24 谷原アクティオ1 検出せず 茨城県鹿嶋市長栖2128
25 谷原アクティオ2 検出せず 茨城県鹿嶋市長栖2128
26 住金西門前1 検出せず 茨城県鹿嶋市大字泉川
27 住金西門前2(泉川東) 検出せず 茨城県鹿嶋市大字泉川
28 住金西門前3 検出せず 茨城県鹿嶋市大字泉川
29 メガネスーパー前1 検出せず 茨城県鹿嶋市宮中
30 メガネスーパー前2 検出せず 茨城県鹿嶋市宮中
31 港公園入り口1 検出せず 茨城県鹿島郡神栖町東深芝23
32 港公園入り口2 検出せず 茨城県鹿島郡神栖町東深芝23
33 (株)カネカ前 検出せず 茨城県鹿島郡神栖町東和田28
34 花王1 検出せず 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20
35 花王2 検出せず 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20
36 大日本インキ1 検出せず 茨城県鹿島郡神栖町東深芝18
37 大日本インキ2 検出せず 茨城県鹿島郡神栖町東深芝18
利根川取手 38 取手1 検出せず 茨城県取手市取手1丁目
39 取手2 検出せず 茨城県取手市取手1丁目
40 取手3 検出せず 茨城県取手市取手1丁目
41 取手4 検出せず 茨城県取手市取手1丁目
42 取手5 検出せず 茨城県取手市取手1丁目
43 取手6 検出せず 茨城県取手市取手1丁目
横浜港 44 味の素前1 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番1号
45 味の素前2 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番1号
46 味の素前3 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番1号
47 味の素前4 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番1号
48 味の素前5 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番1号
49 味の素前6 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番1号
50 味の素前7 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番1号
51 味の素前8 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭15番1号
52 ブリッジ下1 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭1
53 ブリッジ下2 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭1
54 ブリッジ下3 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭1
55 ブリッジ下4 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭1
56 ブリッジ下5 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭1
57 ブリッジ下6 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭1
58 ブリッジ下7 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭1
59 ブリッジ下8 検出せず 神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭1
60 元ニッケン前1 検出せず 横浜市鶴見区大黒町9-1
61 元ニッケン前2 検出せず 横浜市鶴見区大黒町9-1
62 元ニッケン前3 検出せず 横浜市鶴見区大黒町9-1
63 元ニッケン前4 検出せず 横浜市鶴見区大黒町9-1
64 寿老橋1 検出せず 神奈川県横浜市神奈川区宝町3
65 寿老橋2 検出せず 神奈川県横浜市神奈川区宝町3
66 寿老橋3 検出せず 神奈川県横浜市神奈川区宝町3
67 寿老橋4 検出せず 神奈川県横浜市神奈川区宝町3
68 寿老橋5 検出せず 神奈川県横浜市神奈川区宝町3
69 寿老橋6 検出せず 神奈川県横浜市神奈川区宝町3
70 寿老橋7 検出せず 神奈川県横浜市神奈川区宝町3
清水港 71 セイジュ裏 グルホシネート耐性 静岡県 静岡市清水区新港町
72 富士ロジ穀物サイロ グルホシネート耐性 静岡県静岡市清水区清開3
73 南部浄化センター グルホシネート耐性 静岡県静岡市清水区清開3
74 富士製粉1 検出せず 静岡県静岡市清水区清開3
75 富士製粉2 検出せず 静岡県静岡市清水区清開3
名古屋港 76 名港潮見IC出口1 グルホシネート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町37
77 名港潮見IC出口2 検出せず 愛知県名古屋市港区潮見町37
78 名港潮見IC出口3 検出せず 愛知県名古屋市港区潮見町37
79 名港潮見IC直下1 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町43
80 名港潮見IC直下2 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町43
81 名港潮見IC直下3 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町43
82 名港潮見IC直下4 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町43
83 名港潮見IC直下5 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町43
84 名港潮見IC直下6 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町43
85 名港潮見IC直下7 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町43
86 中電火発えんとつ下1 グルホシネート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町34
87 中電火発えんとつ下2 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町34
88 ブルボネット前 グリホサート耐性 愛知県名古屋市港区潮見町42
89 船見町 検出せず 愛知県名古屋市港区船見町19
90 ゲームカフェ1 検出せず 愛知県名古屋市港区竜宮町10
91 ゲームカフェ2 検出せず 愛知県名古屋市港区竜宮町10
四日市港 92 海保前1 検出せず 三重県四日市市千歳町5-1
93 海保前2 検出せず 三重県四日市市千歳町5-1
94 海保前アンテナ下1 グルホシネート耐性 三重県四日市市千歳町5-1
95 海保前アンテナ下2 検出せず 三重県四日市市千歳町5-1
96 海保前アンテナ下3 グリホサート耐性 三重県四日市市千歳町5-1
97 海保前アンテナ下4 グリホサート耐性 三重県四日市市千歳町5-1
98 海保前アンテナ下5 検出せず 三重県四日市市千歳町5-1
99 四日市港バス停 検出せず 三重県四日市市千歳町5
100 防潮扉1 グルホシネート耐性 三重県四日市市千歳町5
101 防潮扉2 検出せず 三重県四日市市千歳町5
102 港湾労働会館1 グリホサート耐性 三重県四日市市千歳町7
103 港湾労働会館2 検出せず 三重県四日市市千歳町7
104 港湾労働会館3 グルホシネート耐性 三重県四日市市千歳町7
105 線路脇 グリホサート耐性 三重県四日市市千歳町4
国道23号線 106 新尾橋 グリホサート耐性 三重県四日市市西末広町4
107 陸橋 グルホシネート耐性 三重県四日市市海山道町2
108 塩浜大橋 グルホシネート耐性 三重県四日市市塩浜244-1
109 鈴鹿大橋 グルホシネート耐性 三重県四日市市楠町本郷鈴鹿大橋
110 南玉垣町北1 検出せず 三重県鈴鹿市南玉垣町5434
111 南玉垣町北2 検出せず 三重県鈴鹿市南玉垣町5434
112 栗真中山町交差点 検出せず 三重県津市栗真中山町91
113 千里団地入口交差点 検出せず 三重県津市河芸町東千里214
114 垂水交差点先 検出せず 三重県津市大字垂水33
115 雲出本郷町交差点 グリホサート耐性 三重県津市雲出本郷町1510
116 三重農業大学校裏1 グリホサート耐性 三重県松阪市嬉野川北町530
117 クロネコ先 グリホサート耐性 三重県松阪市曽原町
118 三重農業大学校裏2 グルホシネート耐性 三重県松阪市嬉野川北町530
119 二十三号線脇田んぼ グルホシネート耐性 三重県四日市市池田町
122 鈴鹿大橋カラシナ 検出せず 三重県四日市市楠町本郷鈴鹿大橋
神戸港 121 深江浜ACR前 グリホサート耐性 兵庫県神戸市東灘区 深江浜町12

表1 採取地点ごとの結果と遺伝子組換えのタイプ

図1 調査地点と採取、検出数

地点名 採取数 グリホサート耐性(RR) グルホシネート耐性(LL) オキシニル耐性(OXY) 検出率(%)
千葉県千葉中央港
7
2
2
0
57
千葉県利根川沿
5
0
0
0
0
茨城県鹿島港
25
0
0
0
0
茨城県取手周辺
6
0
0
0
0
神奈川県横浜港
27
0
0
0
0
静岡県清水港
5
0
3
0
60
愛知県名古屋港
16
9
2
0
69
三重県四日市港
14
4
3
0
50
三重県国道23号
15
4
5
0
60
兵庫県神戸港
1
1
0
0
100
合計
121
20
15
0
29

表2 採取地点ごとの遺伝子組換え検出数

地点名 地図 ビデオ
千葉県千葉中央港
千葉県利根川沿
茨城県鹿島港
茨城県取手周辺
神奈川県横浜港(大黒ふ頭付近)
静岡県清水港
愛知県名古屋港
三重県四日市港
三重県国道23号
兵庫県神戸港

表3 採取地点と検出地点

まとめと考察

  • 千葉県千葉中央港
     千葉中央港では、合計7検体のアブラナ科植物を採取することができました。その結果、4本の遺伝子組換え体を確認しました。
     千葉ポートパークを中心に、サイロ周辺等、調査地域はほぼ昨年と同じ範囲で行いました。昨年、大量の自生と遺伝子組換え体が見つかった「シーガル広場入り口」周辺にはアブラナ科植物の自生を確認することはできませんでした。年を越えての自生ができなかったのか、抜き取り活動をがんばっておられる市民グループさんなどの活動結果であるのかは確認できませんでした。
     今回ナタネを採取できた場所は、中央分離帯がほとんどでした。地図から判断すると、駅の向こう側にあるという搾油工場への運搬ルートにあたり、運搬時のこぼれ種ではないかと考えられました。
     中には成熟した黒い種子をこぼしているものもありました。
  • 千葉県利根川沿い
     千葉県の利根川沿いの一部で調査を行いました。合計5検体を採取し、遺伝子組換え体は確認できませんでした。
     利根川の河岸はセイヨウカラシナ、セイヨウアブラナをはじめ、在来ナタネ、畑からアブラナ科野菜類の侵入など、かなりの種類のアブラナ科植物が群生を形成していました。調査地点は、国道356号に面した土手で、50m x 15mほどの面積にひろがる複数のアブラナ科植物が群生を形成している場所でした。
  • 茨城県鹿嶋港
     茨城県鹿嶋港では、昨年の調査地域を中心に、やや範囲を広げ、搾油工場付近やその周辺道路等で調査を行い、合計25検体を採取しました。遺伝子組換え体は確認できませんでした。
     鹿島港周辺は、歩道や道路脇には、かなりの数でアブラナ科植物が自生しており、採取サンプルの選定に手こずるほどでした。これらがこぼれ種か畑からの流出かはわからないものの、いずれも非遺伝子組換え体でした。
     搾油工場周辺はアブラナ科植物を見かけることはなく、対策が進められているのかもしれないという印象を持ちました。
  • 利根川取手市周辺
     茨城県取手市の河川敷公園付近に自生するアブラナ科植物の調査を行いました。合計6検体を採取しました。その結果、遺伝子組換え体は確認されませんでした。
  • 神奈川県横浜港(大黒ふ頭付近)
     神奈川県横浜港の大黒ふ頭付近を中心に調査を行い、合計27検体を採取しました。その結果、遺伝子組換え体は確認されませんでした。
     この地域では、歩道脇や中央分離帯に、点々とアブラナ科植物の自生が確認できました。いずれもセイヨウアブラナの特徴を持つものでした。
     横浜港には鶴見区大黒ふ頭と、磯子区に搾油工場があり、この周辺で、こぼれ種による自生が心配されています。
  • 静岡県清水港
     静岡県清水港の搾油工場付近、飼料工場付近を中心に調査を行い、合計5検体のアブラナ科植物を採取しました。その結果、3検体が遺伝子組換え体であることが確認されました。
     搾油工場周辺は、対策がとられているのか、アブラナ科植物をみつけることはほとんどできませんでした。
     搾油工場裏手で、唯一採取できた検体が、グルホシネート耐性でした。
     飼料工場から、道路をまたいでサイロに運ばれる場所では、運搬に使用されるベルトコンベアの下にアブラナ科植物の自生を確認できました。検査を行ったところ、グルホシネート耐性でした。また、この場所にはアブラナ科植物の他にも、麦が生えており、コンベアまたは運送中のトラックによるこぼれ種があることが推測されました。
  • 愛知県名古屋港
     愛知県名古屋港の潮見ふ頭周辺から名古屋方面にかけて調査を行い、合計16検体のアブラナ科植物採取しました。その結果11検体が遺伝子組換え体であることを確認しました。
     名港潮見インターチェンジ付近には、道路脇、中央分離帯、歩道等いたるところにセイヨウアブラナの特徴を持つものと、セイヨウカラシナの特徴を持つものが自生していました。
     インターチェンジ直下で採取したサンプルのすべてがグリホサート耐性を持つアブラナであることが確認されました。ここは工場の出口に近い場所であることから、種子の落下が多いと推測されました。
     工場の先、船見町交差点付近では、路肩を黒く埋めるほどの、大量のナタネが落ちているのが確認されました(ビデオ参照のこと)。このナタネは、加熱処理がされた飼料用のものであると推測されました。十分に飼料用の処理がなされているものであれば発芽は起きないものと考えられますが、発芽試験等の詳細を調査する必要がありそうです。
  • 三重県四日市港
     三重県四日市港周辺を中心に調査を行い、合計14検体のアブラナ科植物を採取しました。その結果7検体が遺伝子組換え体であることを確認しました。調査範囲は昨年と同様に行いました。
     陸揚げ、倉庫付近ではアブラナ科植物を見つけることはできませんでしたが、サイロ周辺や、海上保安部、アンテナ塔周辺には、こぼれ種と見られる自生が数多く確認できました。
     運送用トラックが通ると考えられる踏切では、見通しをよくするために、管理者が散布したと考えられる除草剤によって、踏切から30mほど雑草が枯れている場所がありました。その中にアブラナが枯れずに残っていました。除草剤耐性のナタネではないかと考えられたため、試験を実施したところ、グリホサート耐性の遺伝子組換え体であることが確認されました。(ビデオ参照のこと)
  • 三重県23号線周辺
     四日市港から、搾油工場がある三重県松坂市までの国道23号線について調査を行い、合計15検体のアブラナ科植物を採取しました。その結果、9検体が遺伝子組み換えであることを確認しました。
     国道23号線は、歩道、路側帯、橋の上、川の土手、道路の割れ目、継ぎ目、排水溝などとセイヨウアブラナが大量に自生していました。また国道23号線から、道を外れると、セイヨウアブラナの自生は急速に減少しました。国道23号線で自生するセイヨウアブラナの多くがこぼれ種であると推測されました。(セイヨウアブラナの生えている方向に進むと工場までたどり着けるという具合です)
     国道23号線が通る田んぼのあぜ道にも、セイヨウアブラナを見つけることができました。調査を行ったところ、遺伝子組換えナタネであることが確認されました。水田のあぜ道の除草にはグリホサートを用いる農家もあり、これらが繁殖した場合、除草剤を二度撒かないといけない、または手での駆除等、そうした費用と手間が増えるのではないか、そうした心配を持ちました。
     搾油工場周辺でも自生を確認できました。また、搾油工場から少し離れた運搬トラックの駐車場付近にも、大量の自生が見られました。
  • 兵庫県神戸港深江浜周辺
     兵庫県神戸港深江浜周辺で調査を行い、合計1検体のアブラナ科植物を採取しました。その結果、1検体が遺伝子組換え体であることを確認しました。
     神戸港周辺は、時期的にややずれていることになるのか、セイヨウアブラナなどをほとんど見つけることができませんでした。
     飼料工場や搾油工場に近い通りで、唯一見つけたセイヨウアブラナは、グリホサート耐性のアブラナであることが確認されました。
  • 昨年同様、陸揚げのある港を中心とした地域では、遺伝子組換えナタネの自生が続いており、今後繁殖地域が広がる可能性があるかなど、継続的な調査をしかるべき機関や会社がおこなっていき、十分な情報公開をしていく必要があると考えられます。特に四日市港から国道23号線沿いでは、農耕地への侵入が確認されました。より広い範囲での調査をおこなっていく必要性があります。
  • 千葉港、名古屋港や四日市港のように陸揚げ場所から、搾油工場、飼料工場までの距離がある(敷地が異なる)地点では、こぼれ種が原因と考えられる自生が特に顕著であったといえます。
  • また、行政や関係機関、会社などから、積極的な対策や対応、今後の方向性などが明確に示されなければいけない段階にきているといえます。法的には、「隔離ほ場試験の安全性が確認された段階で、栽培目的での栽培の安全性に関する確認がされていない遺伝子組換えナタネ(栽培目的の確認が終了しているのはRT73とRT200、他は隔離ほ場での試験栽培までしか終了していない)」が自生しているという、矛盾があります。

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