1996年、食品として認可された遺伝子組換え作物は、6年後の2002年には、遺伝子組み換えでない食べ物を選びたいという消費者運動が実り、日本でも遺伝子組換え作物の表示義務制度が始まりました。この表示義務制度は意図しない混入であれば5% までであれば遺伝子組換えの原材料が混入していても、「遺伝子組換え不使用」と表記できるものでした。
食品としての認可が始まってまもなく20年、表示義務制度は14年となります。私たちが食品を買うときに見ているこの「不使用表示」ですが、その実態はどのようなものなのでしょうか?本当に5%という規格は守られているのでしょうか?2015年から取り組んできたリアルタイムPCR装置導入募金により、導入することができた新しい装置を使い、市販される大豆製品について、食べもの通信、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンさんらとともに、共同調査をおこないました。
表1に示すように、31製品のうち15製品から組換え遺伝子を検出しました。11製品は不検出となりました5製品は、検査に必要なDNAや増幅反応を得ることができず、 検査不可となりました。
*結果は本試料についてのみ有効で、製品全ての組換え、非組換えを保証するものではありません。
品目 | 国名 | 2014年の作付割合% | 日本の輸入割合%(2013年) | 日本の自給率%(2013年) | 食卓に出回る割合%(2013年) |
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トウモロコシ | アメリカ | 93 |
44.8 |
0.0 |
73.6 |
ブラジル | 68 |
30.4 |
|||
アルゼンチン | 85 |
13.3 |
|||
大豆 | アメリカ | 94 |
60.1 |
6.0 |
84.3 |
ブラジル | 88 |
23.5 |
|||
カナダ | 94 |
13.7 |
|||
ナタネ | カナダ | 95 |
93.8 |
0.0 |
89.1 |
綿実(食用) | オーストラリア | 99.5 |
94.6 |
0.0 |
94.1 |
トウモロコシを使ったスナック菓子などの遺伝子組換え品種検出調査2015(2016/04/28)
「遺伝子組換え大豆不使用」表示のある大豆製品分析結果(2004/07/14)
トウモロコシを使ったスナック菓子の分析結果(1999/11/08)
私たちの調査活動は、募金で運営されています。支援をお願い致します。
みなさんのご支援のおかげで、ついに遺伝子組換え作物の混入率までを検査することができる「リアルタイムPCRシステム」導入することができました。今回の調査は、この装置を活用することで行うことができました。ご支援いただいたみなさまには心より感謝申し上げます。
今後、この装置を活用した様々な視点での調査活動を計画しています。こういった活動や調査、研究には、サンプル入手、試薬代、機器管理費などが必要です。活動と情報発信が継続できるように、より一層の研究費の支援をお願い致します。
世界で推し進められる経済性と効率化、企業のもうけのみを追求する強権的な貿易システムや、生命の営みとそのつながりを尊ばない食糧供給システムの流れに、分析と調査と人々のネットワークの力を使い、私たちは抗いたいのです。お力をお貸し下さい。
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