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分析機器導入
募金のお願い


募金のお願い

 1996年、農民連食品分析センターは、増加する輸入食品の実態を科学的に明らかにし、「国民の命と健康を守る砦」をめざして設立されました。設立以来、輸入食品の様々な問題を明らかにし、日本の食品衛生行政を前進させる活動を行ってきました。輸入野菜などの残留農薬遺伝子組み換え作物の自生調査活動、東電福島第一原発事故による放射性物質汚染検査など、様々な分野で新たなデータを明らかにしてきました。

 中国産冷凍ほうれん草の残留農薬の告発は、政府に輸入加工食品の残留農薬基準を作らせる契機となり、農薬の「一律基準」(ポジティブリスト制)の導入につながりました。 これらの成果は、日本の農業の現状を憂い、食の安全、安心に思いを寄せる多くの方の募金で配備した分析機器なくしてはなしえませんでした。

 資源に依存しない循環型で、安定した食糧供給が可能であり、人と人のつながりが生命の営みを育む形の食糧供給こそ、これからの時代に求められるものです。勢いを強めつつある強大な潮流に抗うには、残念ながら、既存の分析機器だけでは力が不足しています。検査能力を飛躍的に拡大させなければなりません。

 分析力をさらに強化するための「農民連食品分析センター強化3000万円 募金」を呼びかけます。みなさんのお力をお貸し下さるよう心から訴えます。

募金口座について

郵便払込口座

銀行口座

導入予定機器について

液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)

LC/MS/MS 残留農薬の検査態勢を強化するため、LC/MS/MSの配備を目指します。現在、所有しているGC/MSでは、有機リン系農薬、有機塩素系農薬など、おおざっぱに言えば、油に溶けやすく気化しやすいタイプの農薬について230種程度の検査に対応できますが、水系に溶けやすく、気化しにくいタイプの農薬には対応できません。LC/MS/MSが導入されれば、大幅に検査対応できる農薬を増やすことが可能となります(GC/MSとの合計目安400種)。特に、近年、話題となっているネオニコチノイド系農薬などにも対応でき、生産物の安全性証明にも役立つデータを得ることができます。

リアルタイムPCR装置

LC/MS/MS 1999年、農民連食品分析センターでは、遺伝子組み換え食品を監視するための装置を募金で導入し、まだ食品への組換え表示義務制度のなかった当時、制度導入につながるデータを収集、公開してこの問題を牽引してきました。また、こぼれ落ちた遺伝子組換えの種子が日本の生物多様性に与える影響について調査する遺伝子組換えナタネ調査隊などにも取り組み、UNEPの開催する生物多様性条約締約国会議へも市民運動とともに情報提供を行い、成果を上げてきました。

 1999年、募金により導入したPCR装置は増幅のみが可能の装置で、食品の中に、混入している遺伝子組換えの作物を検出することはできますが、それがいったい何パーセント混入しているかについては確認できない装置です。リアルタイムPCR装置は、混入している遺伝子組換え作物の割合が何パーセントであるか、蛍光検出により定量化することができます。

 日本の表示義務制度は遺伝子組換え作物の混入率が5%以下であれば「遺伝子組換えでない」と表記するものです。この装置の導入によって、現行の表示義務制度の検証や監視を行うデータを集めることができ、遺伝子組み換え食品の実態を探る調査活動に取り組めるようになります。TPPの進行状態によっては、日本は、食品の組換え表示義務制度も廃止される恐れがあり、そうした流れへの対抗手段としても、早期の導入が望まれます。