米の鮮度簡易判定キット
-pH法-
お米には脂質(精白米で1.3%程)が含まれています。この脂質は時間の経過、湿度や温度によって分解して脂肪酸に変わっていきます。
つまり古いお米ほど、ストレスのかかったお米ほどたくさんの脂肪酸が生成していることになります。
お米の鮮度簡易判定キット-pH法-はこの酸の量に応じて色が変わる試薬を調整したもので、脂肪酸がほとんど無い新米では「緑色」に、お米が古くなり脂肪酸が増えるにつれ「黄色」、「赤色」に変色する仕組みです。
右の写真は「米の鮮度簡易測定キット」を用いて、実際に市販の精米を試験したものです。精米したてで新鮮なお米や新米は緑色に、古くなり鮮度が落ちてしまっているお米や古米はオレンジ、赤色に染まっているのがハッキリと分かります。
なお、現在、日本はお米の保管技術が世界最高水準で大変高く、こういった条件下で保管された古米(玄米など)は、精米すると新米に近い反応を示すことがあります。
新米の中に古米を混ぜたようなお米では、しばらく放置しておくと、青いお米の中に赤く染まった古米が確認できるようになります。
新米と古米を区別するタイミングは、一般的な用途に基づく場合や行政的な区分などから何種類かの分け方があるようです。
梅雨が明けるまでというのはおそらくお米にもっともストレスがかかり、鮮度の低下が激しいタイミングを区分にしたのだと思います。
近年、高度保存技術普及で、古米、新米という明確な区別は出来なくなってきているといえます。実際にこちらで調査をおこなったところ「たくわえ君」という備蓄米(玄米)の場合、新米ほどではありませんが、だいぶ鮮度の良い反応を示すことがありました。逆に新米であっても保存状態が悪ければ、古米のような反応を示すこともあります。極めて悪い条件下で保存された新米(精白米)が一ヶ月で古米の反応を示したこともありました。
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