鮮度の高い米は、酸化酵素の一つパーオキシダーゼ(peroxidase)活性が高く、過酸化水素を分解する能力が強い特徴を持っています(胚芽部分に多い)。この条件下にグアヤコールが存在すると、グアヤコールは酸化され赤色のテトラグアヤコールに変化していきます。つまり、鮮度のよい米ほど赤く着色することになるわけです(図:グアヤコール法による着色反応を参照)。 高温多湿の条件下での保存や梅雨期を経過した米ではパーオキシダーゼ活性が低下することになり、それに応じてグアヤコールの着色具合が低下いきます。この着色具合の違いから米の鮮度判定をおこなう仕組みのキットです。 ただし、低湿低温貯蔵米ではパーオキシダーゼ酵素活性は穏やかに低下することになるため、産年が過ぎていても大きな鮮度低下をおこさず、判定には注意が必要となります。 また、精白米では、パーオキシダーゼを含む糠部分や胚芽部分が失われており、鮮度が良いお米でも、この反応が確認できないことになり、結果、鮮度低下米の判定になる場合があること十分に留意してください。精白米の場合は、pH法による試験もクロスチェックとして実施することが望ましいと考えます。 なお、かつて、この試験法の原理を逆手にとり、鮮度低下米に鮮度の良い米の糠だけを混ぜ、検査をすり抜けるという手法をする事例があったという記録があります。こうした手法を見極めるためには、このキットでは、米を一度軽く水で洗って付着する糠を流してから試験をする手順を加えた着色度テストのマニュアルも付記してあります。必要に応じて実践をしてみてください。 |
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下の写真は「米の鮮度簡易測定キット-グアヤコール法-」を用いて、実際に市販の精米を鮮度テストしたものです。精米したててで新鮮なお米は胚芽部分が強く赤色に発色します。古米は色が付きません。
右染まらないのが古米 |
新米の中に古米を混ぜているものでは、赤く染まるお米と染まらないお米が混ざった状態で見えてきます。
このほかお米のとぎ汁の発色具合を調べ、鮮度および混入具合を全体的に判定することもできます。
「米の鮮度簡易測定キット-グアヤコール法-」は農民連食品分析センターにてお配りしております。ワンセット2,500円(送料込み)です。注文はトラブルをさけるためFAXか電話でお願いいたします。そのほかお気づきの点などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。問い合わせ先はこちらを参照して下さい。
補足:米の鮮度簡易判定キットの特徴とクセ<<<Check!!
「米の鮮度簡易測定キット-グアヤコール法」のパンフレットはこちらからダウンロードできます。
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