はじめに

　世界一の豊かさと言われる日本の食。どこに行っても、おいしく、安く、手軽に、様々な食品を、いつでも手に入れることができます。しかし、私たち、食品分析に関わる現場から、日本の食卓を見たとき、この豊かさの背景には、さまざまな課題や問題を抱えていることがわかってきます。

　あれを食べてはいけない、それをたべてはいけないという情報だけでは、この課題を乗り越えていくことは難しいと感じています。食べ物を作る側も食べる側も、責任を持って製造、責任を持っていただく、単なる受け身ではない食べ方や自分の食のことを考えてアクションを起こせる人が増えていくことが、いまの日本の食卓の裏側に隠れている課題や難問を解決していく一番の近道だと私たちは考えています。

　農民連食品分析センターでは、そうした考える力「農力」を育む学習会や講師派遣、実験ワークショップなどを引き受けています。

学習会のテーマ例

• 分析現場から見える日本の食料事情
  食料自給率や輸入食品がどのような状況か学び、農民連食品分析センターで調査をおこなってきたデータと近年の食品にまつわる事件とその背景を踏まえ、日本を胃袋を支えていく仕組みがどうあるべきかについて考えます。
• 農力を伸ばす食の知識
  普段何気なく、おいしく食べている食品の裏側を、ちょっとした実験（コンビニおにぎりの秘密など）を披露しながら、豊かな日本の食を支える構造について、真剣に考え、アクションを起こせるようになるお話をします。あんなものが、こんなものが、そんな仕組みで作られているとはしらなかった。食べているだけではいけない、作り手も伸ばす食を作らなければいけない、そう思えるようになる、ビックリ、ドッキリ、笑いありの学習会です。
• 中国産冷凍ほうれん草事件でなにがあったか
  農民連食品分析センターが摘発することにより、発覚した中国産冷凍商品残留農薬問題。2000年初めに私たちの組織が、調査に取り組み、2003年に社会問題に発覚、ニュースで日夜報道されるようになるまで、何が起きたのか、何があったのか。また、この問題が、食品衛生法改正にどう繋がっていったのかについてお話しします。
• 遺伝子組換え食品ってなに？
  遺伝子組換え食品は、1996年に食品としての認可がされました。以来、私たちは、食卓に遺伝子組み換え作物を利用した食品を取り入れ、消費しています。名前は知っている、表示も見たことがある、でも、実態やホントにそんなものがあるか実感がない、そういった声を良く聞きます。この学習会では、実際に、大豆をすりつぶし、遺伝子組換えかどうかを検査する簡易試験を行って、その実態を体験してもらったり、遺伝子組換え作物にはどのようなものがあり、どうやって作成されたかなどを学びます。農民連食品分析センターで「遺伝子組換え作物は使用していません」表示がある食品を検査してみたら、どんな結果になったのかについてもお話しし、表示義務制度についても学びます。また最近のニュースなどについてもお話しします。 現在普及している遺伝子組換え作物とその供給体制で、本当に持続可能で環境保全型の農業と食料生産を行うことができるのか、みなさんと考える学習会です。
• 遺伝子組換えナタネ自生調査をやりましょう
  日本は、油脂原材料や飼料として、カナダ、アメリカ、オーストラリアなどから遺伝子組換えナタネを輸入しています。輸入された遺伝子組換えナタネは、運搬途中にこぼれ落ち、港周辺やその運搬道、搾油・飼料工場周辺に自生していることが確認されています。特定の除草剤をかけても枯れないように遺伝子を組み換えられたナタネが発芽、自生することで、予想される問題や、強力な特許で保護されたこれらの種子が引き起こすかもしれない課題について学びます。2005年から、民間サイドでもっとも広く日本の自生地を調査してきた農民連食品分析センターだからこそ知っている情報についてお話をします。

上記は一例です。そのほか、希望される内容があればご相談下さい。

開催費用について

　参加される人数によって、費用が変わってきますのお問い合わせ下さい。募金協力会員や農民連会員は開催費用に割引きがあります。

• 開催人数：推奨10人〜30人（300人規模での対応も可能です）
• 開催費用：ご相談下さい（募金協力会員や農民連会員、非営利団体は大幅な割引きがあります）
• 開催時間：1時間〜2時間
  

問い合わせは

まず以下までお電話をください。

農民連食品分析センター
TEL：03-5926-5131
FAX：03-3959-5660
Email power8@nouminren.ne.jp