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はじめに

トウモロコシ発芽
上下游News&Market:【調查報導】路邊捕獲基改豆─基改種子落地生根

 食用油の7割を大豆油として利用する台湾は、その原材料をアメリカ、ブラジル、カナダなどの遺伝子組換え大豆生産国に依存しています 。台湾の食用油生産は、西海岸に立地する中聯油脂股份有限公司以外は港から離れた内陸部に立地しています。この立地条件は、遺伝子組換え大豆の長距離輸送が恒常的におこなわれていることをしめすもので、私たちが取り組んできた遺伝子組換えナタネ自生調査から得られた経験から判断すると、遺伝子組換え大豆が広域に渡って自生する可能性があると考えていました。

トウモロコシ発芽
枝豆まで生長した遺伝子組換え大豆
(農民連食品分析タースタッフ撮影)

 そこで、2015年5月14および17日に、 家族旅行で台湾を訪問した折、持参していた遺伝子組換え大豆簡易試験キットを用い、高雄市にある穀物埠頭と搾油工場周辺、台南市隆田にある搾油工場周辺の2地点で自生調査を実施しました。その結果、高レベルのこぼれ落ちとGM大豆の自生が起きていることを確認しました。その状況は息をのむものであったため、遺伝子組換えナタネ自生調査全国報告会2015で調査番外編として発表(発表スライド)をしました。また現地で今後起こると予想される問題が、深刻であると考えられたため、至急、台湾の市民や農民団体にこの実体を伝えるため、いくつかのルートを頼りに、私たちが作成したショートレポートの英訳、台湾語訳をしてもらえる協力者を探しました。その後、農民運動全国連合会青年部のつながりから、台湾側の人たちと連絡が取れるようになり、私たちの作成したショートレポートが台湾語に翻訳されました。この翻訳には上下游News&Marketの記者さんが関わっており、内容を広く伝えるために動き出します。

トウモロコシ発芽
こぼれ落ちたトウモロコシには発芽能力がある
上下游News&Marketの記事より)

 そうしてプレスされたのが今回の記事(上下游News&Marketの記事を開く)です。私たちの調査データに加え、現地の新しい情報や、追加調査、取材なども行われ、より実態が広く深いものであることがまとめられていきました。国民、政府が一体となって、この遺伝子組換え作物の自生に取り組むためのマイルストーンとなる記事だと思います。台湾の農業者の権利が守られることを期待したいです。

 なお、私たちが2015年に行った調査の詳細レポートは、後日別ページで公開する予定でいます。もうしばらくお待ちください。

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