はじめに
1998年2月、愛知県の消費者の方から要請を受け、下記4品目について残留農薬分析をおこないました。
- 分析終了日は1998年2月13日です。
- GC法による有機リン系残留農薬一斉分析を実施しました。
結果
以下の4検体中、2検体から有機リン系殺虫剤が検出されました。
- クロルピリホスおよびEPNは、一般的な有機リン系殺虫剤として使用される成分です。
- プルーンに定められるクロルピリホスの基準値は1.0ppmとなっています。ただし、この場合においては加工食品にあたりますので、基準値の直接の適応はありません。
- 大豆にはEPNの基準値は設定されていません。ただし、この場合においては加工食品にあたりますので、基準値の直接の適応はありません。
品名 |
農薬名 |
含有量 |
備 考 |
ミキプルーンエキストラクト |
クロルピリホス |
0.689ppm |
280g
2000円 |
ミキプロテイン95スープリーム |
EPN |
0.03ppm |
425g
4500円 |
ミキバイオーCローズヒップ顆粒 |
|
検出せず |
120g
4500円 |
ミキエコー37アボガド抽出オイル |
|
検出せず |
75g
4500円 |
補足
- 以降、数件の依頼を受け、分析を受託してまいりましたが、その後の依頼では、いずれの農薬も検出されていません。製品の管理が十分行われるようになれば回避できる課題ですので、そうした背景が業界内でも進められていると言えます。
- 乾燥プルーンを水で抽出したものを濃縮し、製品としていることから、原材料の乾燥プルーンで使用されていた成分の可能性があります。乾燥プルーンは1996年の貿易統計では13,426トンが主としてアメリカから輸入された実績が記録されています(輸入価格は256円/kg)。
- プロテインの主成分は大豆から生成したタンパク質となっています。1996年の貿易統計では、植物性たん白として5,591トンが、主としてアメリカから輸入された実績が記録されています(輸入価格は272円/kg)。
- 植物性たん白として流通される製品は、n-ヘキサン法を使用し、油を絞ったあとに残る大豆粕を加工したものが多いようです。
- 今回の調査では、1社の製品のみのに限られていますが、NPO法人食品と暮らしの安全基金さんらがおこなった独自調査では、プルーン製品を販売する4社から防虫剤を検出したという報告があります(詳細は「食と暮らしの安全」138号をお取り寄せください。)
より詳しく情報を知りたいときは
まず以下までお電話をください。
農民連食品分析センター
TEL:03-5926-5131
FAX:03-3959-5660
Email power8@nouminren.ne.jp