放射性ヨウ素や放射性セシウムについて、高精度で、低レベル放射線の検出が可能な試験法です。厚生労働省が定める確認試験法として採用されており、信頼の高い試験となっています。特に1Bq/kgを切るような低レベルの放射能汚染検査に活躍します。ご依頼いただいた試料について1時間測定をおこなった結果をお届けします。
2012年3月27日、多くの方々の募金によって、装置を導入することができました。
米・水、土壌 (前処理なしでそのまま検査できるタイプの試料) |
農民連会員 | 7,500円 |
---|---|---|
募金協力会員 | 11,250円 | |
一般価格 | 15,000円 | |
野菜・果物・肉・魚など (細砕などの前処理が必要になるタイプの試料) |
農民連会員 | 9,500円 |
募金協力会員 | 13,250円 | |
一般価格 | 17,000円 | |
通常測定した場合の 検出限界の目安 |
玄米900gを 通常測定した場合(一時間) |
1 Bq/kg前後 |
低レベル測定を依頼された場合の 検出限界の目安 (これ以上の延長も可能です) |
玄米900gを 6時間測定した場合 |
0.3 Bq/kg前後 |
穀物、野菜、果物、水、牛乳、土壌などが放射性ヨウ素(I-131)および放射性セシウム(Cs-134, Cs-137)の3核種に、どの程度汚染されているかを検査できます。結果は1kgあたりの放射性物質量Bqとして報告します。
「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」(厚生労働省医薬局食品保険部監視安全課 平成14年3月)、および文部科学省放射能測定法シリーズ「No.7ゲルマニウム半導体検出器によるγ線スペクトロメトリー」(平成4年改訂)」、厚生労働省医薬局食品安全部監視安全課「事務連絡-検査における留意事項について-(流水による洗浄)」(平成23年3月18日)、に記載されている前処理や留意事項を基に測定を実施します。ゲルマニウム半導体検出器ならではの高信頼性、高精度で、低レベルの放射性物質汚染を測定することができます。検出された核種は、Canberra社、数学的効率作成プログラム「LabSOCS」による効率校正法にて、定量値が算出されます。
Canberra社製ゲルマニウム半導体検出器GC2020に、冷却システムCryoCycle、マルチチャンネルアナライザDSA-1000を組み合わせたシステムで構成されています。このシステムから得られたデータをγ線スペクトル解析ソフトウェアSpectrumExplorerを用い定性、定量をおこなっています。γ線の効率校正はCanberra社製効率校正プログラムLabSOCS*によります。
*Canberra Genie2000 LabSOCSについて:公定法では、実際のサンプルを詰める容器と同じ形状、密度などで標準線源を作成し、その測定データを元に、定量に必要な効率曲線を得て、濃度確定をおこないます。この方法がもっとも正確で、信頼性の高いデータが得られますが、測定するサンプルに合わせて、標準線源を作成しなければならず、もし測定サンプルの種類がかわり、密度などが標準線源と異なってしまう場合、可能であればその都度、サンプルに合わせたものを用意する必要がでてきます。たとえば、お米用に作成した標準線源で得られた効率校正曲線で、お茶を測定し、定量しようとすると、この二つの間の密度などが異なるため、測定数値にそうしたファクターの影響を受けた分だけ、ぶれが生じることになります。また、検査したいサンプルの量が、サンプル測定容器に満たない量しか確保できない場合、より小さな容器に変更して測定をおこなうことになりますが、その容器についてもやはり標準線源を作成し、効率曲線を得ている必要があります。Canberra社製の効率校正プログラムLabSOCS/ISOCSは、実際の標準線源を使用せず、測定サンプルの容器形状、素材、厚さ、サンプルの密度、種類、検出器からの距離などを3Dオブジェクトとして作成し、Canberra社が検出器ごとにあらかじめ得ておいた特性データと空間的な計算処理をおこなって効率特性曲線を作成するものです。LabSOCS/ISOCSによる効率校正は、日本ではまだあまり一般的ではありませんが、今回のように、標準線源の供給が困難であったり、食品のように多種多様な分析サンプルが存在する場合には、柔軟な分析が可能となる強みがあります(Canberra社にあるLabSOCSのページはこちら)。
測定時間は、通常依頼の場合では1時間とさせていただいています。この場合の検出下限値は、玄米900gを測定した場合、それぞれの核種について1Bq/kg前後となります(サンプルの密度によって検出限界が変動します。たとえば、わらやおがくずのような密度が非常に低いサンプルでは、測定容器に充填できるサンプル量を増やすことが困難で、検出限界をあまり下げることができません)。
また、より低レベルまでの試験を希望される場合は、測定時間を延長し、検出下限値を0.3Bq/kg程度まで引き下げることも可能です(お米の場合、6時間の測定で、0.3 Bq/kg程度)。この際は事前にご相談ください。分析受託料金は、通常検査と変わりませんが、スケジュール上、結果が出るまでにお時間をいただきます。
測定核種 | 検出限界 | 測定時間 |
---|---|---|
放射性ヨウ素 I-131 | 1 Bq/kg前後 |
通常依頼では1時間の測定を実施 より低レベルの検査を希望される場合はご相談ください。なお、低レベルでの検査をご依頼されても検査費用は変わりません。 |
放射性セシウム Cs-134 | 1 Bq/kg前後 |
|
放射性セシウム Cs-137 | 1 Bq/kg前後 |
前処理が必要ない米、水、土壌については農民連会員は7,500円、募金協力会員11,250円、一般および営利目的での利用の場合は15,000円となっています。
前処理が必要になる野菜、果物、肉、魚などについては、農民連会員は会員価格9,500円、募金協力会員13,250円、一般および営利目的での利用の場合は17,000円となっています。前処理を、依頼者ご自身でおこなったものを送られる場合は、米、水、土壌と同じ検査費用となります。
消費税別、検査費用の払込手数料はご負担ください。
学術的、教育的なセクションでのご利用の場合は、ご相談ください。別途、依頼費用の適用が可能です。
私たちの施設は、募金により設立されています。活動の趣旨をご理解のうえ、ご利用と応援をお願いいたします。
ご注意:土壌や堆肥、高レベルの放射性物質を含む試料は、試験が終了したあと、依頼主様に返送いたします。この際の送料はご負担ください。
サンプル種 | 農民連会員 | 募金協力会員 | 一般価格 |
---|---|---|---|
米・水・土壌 | 7,500円* |
11,250円* |
15,000円* |
野菜・果物・肉・魚 | 9,500円* |
13,250円* |
17,000円* |
標準的な検査に必要なサンプル量は、1.1kgとなります。野菜や肉、魚などの場合、可食部で1.1kg以上であることにご注意ください。たとえば、トウモロコシなどのように、検査の際、芯を除かなければいけないような試料などでは、1.1kg以上の試料が必要になります。試料量が不足すると、期待される検出下限値を達成できないことになります。
作物や商品などによっては試料を、必要量だけ用意のが困難な場合があると思います。そうした場合は、、ご相談ください。現在、稼働中の測定器は、いずれも効率校正プログラム「LabSOCS」によって測定値を得ることができるシステムです。さまざまな形状、密度、試料量に柔軟な対応ができます。必要量の確保ができなくても正確な試験を実施することができます。
また、開封したくない食品などの検査にも対応できます。たとえばみかんジュースや日本酒のような瓶づめ食品や飲料、ジャムや缶詰、化粧品など、貴重な試料を無駄にすることなく結果を得ることができます。
現在、私たちの施設で対応が可能な容器と試料量の例を右に示します。それ以下での試料量での試験にも対応できる場合がありますので、ご相談ください。
V-2容器などを用いれば100g程度の試料量からの対応ができますが、注意する点は、容器が小さくなればなるほど(つまり充填できるサンプル量が少なくなればなるほど)、検出下限値は大きくなり、低レベルの放射性物質の検出が困難になる点です。サンプル量が少量の場合、検査に長い測定時間が必要になります。またスケジュール上、検査の報告が遅くなる(2週間程度まで)場合があります。
検査に必要なサンプル量は、原則1.1kg必要となります。野菜や肉、魚などの場合、可食部で1.1kg以上であることにご注意ください。たとえば、トウモロコシなどのように、検査の際、芯を除かなければいけないような試料などでは、1.1kg以上の試料が必要になります。
大葉やゴマ、濃縮エキスなどのようにサンプル量を確保するのが難しい場合は、ご相談ください。上述の「様々な試料タイプ、試料量に対応します」にあるように、少量でも測定時間を延ばすことでご希望される検出限界値までの検査を行うことができます。
左右対称の比較的シンプルな形状のものであれば、未開封のままで瓶などの形状を数学的効率校正を実施し、測定を行うことができます。
本試験法の場合、測定時間の延長などで、1~2Bq/kg程度までは対応をすることができますが、分析終了までお時間をいただくことになります。より高精度、低レベルまでの試験を希望される場合は、ゲルマニウム半導体検出器による試験を選択してください。
土壌、堆肥、原木などのサンプルは、私たちの試験施設の保管場所に制限があること、東京都内での処理や廃棄が難しいことなどの事情があり、申し訳ありませんが、保管期間を終了後、ご依頼者様に着払いで戻させていただいております。どうぞご了承ください。
通常、お手元に報告書・成績書が届くまで2~3営業日程度となります。結果のみ、すぐに確認したい場合は、荷物が到着した日の夕方、17時頃にセンターまでお問い合わせください。午前11時までに到着した試料であれば、結果について、暫定的なお知らせができることもあります。
営利目的で、特にお急ぎの場合は、特急検査コース(別料金、おおむね30,000~35,000円/検体)がありますので、ご相談ください。リアルタイムな対応が可能です。特急検査は、試料の到着が午前のものについては、その日のうちに、分析結果をメールまたはFAXにていたします。夕方着の場合は、翌日午前中までにご報告する形となります。非営利の個人や団体で,緊急の検査がどうしてもいま必要,という場合は,ご事情に合わせた検査を実施しますので,お気軽に問い合わせください.
まず、03-5926-5131までお電話ください。打ち合わせなしで、試料を送られた場合は、混み合っているなどの理由で検査ができないことがあります。受け入れ打ち合わせ後、分析依頼書(リンク)に必要事項を書いて頂き、FAX(03-3959-5660)にてご送付ください。資料送付の際は、その分析依頼書を同封して送ってください。
まず以下までお電話をください。お話を伺い、私達で解決できるかどうか相談に乗らせていただきます。お近くの方は直接こちらまでお越しください。受付で入館許可申請後、お話を伺いします。
農民連食品分析センター
TEL:03-5926-5131
FAX:03-3959-5660
Email power8@nouminren.ne.jp