ネオニコチノイド系農薬は、ハチ類をはじめとした自然環境への影響や、健康影響の可能性などが議論されており、海外では使用禁止や監視強化などの動きがあります。一方、日本では高齢化が進む農村での省力化や大型化する現場でのコストダウンが求められる情勢にとって、メリットが大きいとして、ネオニコチノイド系農薬を栽培に取り入れる動きが進んでいます。食品衛生法でも、これら薬剤の基準値を緩和するなどの動きが続いており、世界とのギャップが生まれている農薬と言われています。
日本の農業の現場において、広く使用されるようになったネオニコチノイド系農薬は、今後、その使用、管理、残留について品質管理や監視が動きが進められると考えられます。この度、募金により導入できたLC/MS/MSを用い、ネオニコチノイド系農薬の分析受付を開始しました。超高速トリプル四重極型LC/MS/MSの性能により、高精度、高感度での検出が可能となっています。
農産物はもちろんその加工品など食品全般のほか、土壌、水などの環境物質、畳などの内装材・建築材にも対応します。 試料受領後、7〜10日間程度で、分析報告書がお手元に届きます。お急ぎの場合は、お電話にてご相談ください。試料到着後、2~3日程度で、速報をお伝えすることも可能です。
[ご希望の場合]ネオニコチノイド類似の農薬とされる浸透移行型農薬の「スルホキサフロル」、「フロニカミド」、「トリフルメゾピリム」、「フルピラジフロン」、「エチプロール」、「フィプロニル」、「クロラントラニリプロール」の検査にも対応をおこなっております。報告書への試験対象への追加を希望される場合は、お問い合わせください。
ネオニコチノイド系農薬、および海外などでネオニコチノイド用の作用性や挙動、環境影響性を持つのではないか、として扱われるネオニコ様農薬について一斉分析します。定量下限値は、0.005mg/kgとなります。
なお、同じ成分名でさまざまな商品名があります。農林水産省が公開する農薬登録情報提供システムから、代表的商品名をピックアップした表を以下に作成しましたので参考にしてみてください。
No. | 農薬名 (成分名) |
代表的商品名 | 成分名(英名) |
---|---|---|---|
1 | クロチアニジン |
フルスウィング、ダントツ系、ハスラー系、モリエート系、ベニカ系、プロパック、オルトランDX粒剤、ワンリード、キクゾー、ベニカケムシエアゾール、ツインターボ、箱入り娘、ガーディアンアシスト、サイクルヒット、トライ、トライ2、箱王子、カイガラムシエアゾール、チームワーク、ボクシー、マッキーノ、スタウトパディート、箱大臣など | Clothianidin |
2 | ジノテフラン |
スタークル系、アルバリン系、イッカツ系、ワイドナーエース、トレボンスター系統、わさび用緑風SG、サジェスト微粒剤F、アントム顆粒水和剤、キックオフ顆粒水和剤、スターガード系、ワッショイ粉剤DL、アトラクトン箱粒剤、スターダム箱粒剤、ロングリーチ箱粒剤、スケルカット、スケルノック、オールスター、ウッドスター系、ウッドセーバー、ハイポネックス原液(殺虫剤入り)、ハイポネックス原液(プラス殺虫剤)、ガッツスター、ゴウケツモンスター粒剤、サントリプル箱粒剤、ハイパーキック箱粒剤、ゴウケツバスター箱粒剤、サンフェスタ箱粒剤など |
Dinotefuran |
3 | ニテンピラム |
ベストガード系、ベスト系(パダンベストなど)、ベストガード系など | Nitenpyram |
4 | イミダクロプリド |
アドマイヤー系、ブルースカイ系、ガウチョ系、タフバリア系、フルサポート系、パワーリード系、アースガーデン、ワークワイド顆粒水和剤、リードックフロアブル、キラップAD粒剤、ルーチン系(ルーチンアドスピノなど)、ガードナーフロアブル、タフスティンガーフロアブル、シャリオ箱粒剤、エバーゴル系(エバーゴルフォルテ箱粒剤など)など | Imidacloprid |
5 | チアメトキサム |
アクタラ系、クルーザーFS30、リーズン顆粒水和剤、ビートルコップ顆粒水和剤、カダンスプレーEX、アトラック液剤、デジタルメガフレア箱粒剤、ガーディー系、カダンプラスDX、花華やか、ジュリボフロアブル、キープレイヤー、花色彩、クルーザー系、デジタルメガフレア箱粒剤、ツインアタック顆粒水和剤、ミネクトデュオ粒剤など | Thiamethoxam |
6 | アセタミプリド |
モスピラン系、イールダー、カダン殺虫肥料、マツグリーン液剤、レインボーフラワー系、モストップジンRスプレー、マイテミンスプレー、ダイリーグ粒剤、アベイル粒剤、イマージ液剤など | Acetamiprid |
7 | チアクロプリド |
バリアード系、エコワン系、ブイゲット系など。 | Thiacloprid |
ネオニコ様の作用性がある農薬 | |||
8 | スルホキサフロル |
トランスフォーム系、エクシード系 | Sulfoxaflor |
*なお、検査対象成分は、予告なく追加や一斉分析コースへの変更などが行われることがあります。ご了承ください。
検査に必要なサンプル量は、原則1kgとしていますが、一般的な農作物の場合、最小パッケージ相当の200g前後から対応しています。
大葉やゴマ、濃縮エキス、乾燥野菜パウダーなどのようにサンプル量を確保するのが難しい場合は、ご相談ください。こちらで作業の調整を行い、少量からの検査に対応できるように致します。
一般的な加工食品の検査に対応しています。私たちの検査品のかなりのものが加工食品です。お気軽にご相談ください。(エタノール抽出エキスなどは困難な場合があります)
上記リストに見つからない農薬はお問い合わせください。また農薬の成分名と商品名は混乱してしまう場合が多いので、細かい文字が読みにくい、や、よくわからない時には、検査希望をされる農薬のリストをこちらにFAX(03-3959-5660)またはメールでお送りいただければ、対応状況についてご回答いたします。
土壌、堆肥、原木などのサンプルは、私たちの試験施設の保管場所に制限があること、東京都内での処理や廃棄が難しいことなどの事情があり、申し訳ありませんが、保管期間を終了後、ご依頼者様に着払いで戻させていただいております。どうぞご了承ください。
通常、お手元に報告書・成績書が届くまで7~10営業日程度となります。結果のみ、すぐに確認したい場合は、一度お問い合わせください。結果について、暫定的なお知らせができることもあります。
営利目的で、特にお急ぎの場合は、特急検査コースがありますので、ご相談ください。その他、非営利目的の場合では、ご事情を伺いして、対応を致します。
まず、03-5926-5131までお電話ください。打ち合わせなしで、試料を送られた場合は、混み合っているなどの理由で検査ができないことがあります。受け入れ打ち合わせ後、分析依頼書(リンク)に必要事項を書いて頂き、FAX(03-3959-5660)にてご送付ください。資料送付の際は、その分析依頼書を同封して送ってください。