■釉薬をかけよう■

素焼きをしただけでは、器はもろいし、汚れも付きやすいし、カビもボワボワ生えます、汁も漏れます。陶器は素焼きをしたあと、灰や長石とか鉱物を細かい粉末にして混ぜ合わせ、それを水に溶かして出来る「釉薬」というのをかけて、もう一度、今度は高温(1300度ぐらい!)で焼きます。釉薬をもっていなければこの行程は飛ばしてしまいます。七輪陶芸だと釉薬をかけなくても炭の灰が溶けて釉薬の代わりをしてくれますので。

釉薬を用意する

釉薬は陶芸.com等で買うと安いです。買うときのコツは、焼成温度をまず見ることです。七輪は相当気合いを入れないと1200度以上出すのはしんどいです(買ったばかりは別)。ので選ぶ釉薬は1200度前後で溶けるものを選んだ方が安心です。

釉薬もついついきれいな色が出るものを買いたくなってしまいますけど、七輪陶芸では、器が炭にくっついたり、灰でぼこぼこになったり、時には七輪のカベと合体してしまったりと、おとなしく焼き上がってくれませんので、釉薬にはあまりはまらない方が良いことを思い知らされました。

そんなわけで外側は炭の灰で出来る自然灰柚に任せ、釉薬は何もかけないで、内側だけお酒やビールがしみこんだり漏れたりしないように釉薬をかけて焼くのがいいみたいです。

内側には安くて確実なところで1100度ぐらいで溶ける「透明釉」を選んでおけばだいたいうまくいきました。写真はやや高温で溶ける「天然灰柚」というヤツです。あんまうまく扱えません(涙)

素焼き済みの器を用意する
素焼きがすんだ器を用意します。ちゃんと冷めたのを確認しておきます。
釉薬を良く振って混ぜる

釉薬はすぐに分離してしまい、均一なかけ方が出来ませんので、狂ったようにふり混ぜてから使用します。

ビーカーに釉薬をいれる

バケツでもビーカーでもかまいません。そんな大きくなくてもイイです。注ぎ口がついていると最高です。

器に注ぐ

釉薬が分離しないウチに、素早く、すばやく、すばやく!器に注ぎ込みます。

器を満たす

器一杯まで釉薬を入れます。大急ぎ。ちょっとあわだってるなぁ。


釉薬を出す

いっぱいまで入れたら、すぐに釉薬を出してしまいます。ビーカーに素早くひっくり返してしまいます。長い間釉薬を入れすぎると、釉薬が厚くかかりすぎてしまいます。厚くかかりすぎると焼成しても溶けなくなったり、剥げたりしてしまいます。ムラがあったり、厚すぎるときには釉薬が乾いたら、指で軽くこすってならしてあげます。s


器を逆さまにつまんでもつ

口にさわる部分だけ釉薬をつけておくと口触りがよくなるので、逆さまにもって釉薬につけます。ちょこんとつけるだけでいいです。これも手早くやります。

どぶっと

全体に釉薬をつけたいときは写真のように深いところまでつけ込みます。これも手早くやります。長い間沈めると厚がけになり、なかなか溶けないなどの原因になるみたいです。

逆さまにして待つ

釉薬がたれてきそうだったら、逆さまにしてすこし待ちます。

乾燥

釉薬をかけると器がたっぷり水分を吸ってしまいます。水分が残ったまま本焼成をすると確実に大爆発を起こしますので、完全に乾くまで放置しておきます。写真では乾燥機の中に入れて乾燥させています。125度で30分ぐらいですね。電子レンジでも同じ事は出来ると思います。

完成

完全に水分が飛んでしまえば、指ではじいたとき軽い音がします。釉薬のかかっていない部分を指ではじいてみて音が軽くなっていたら完成です。



釉薬をかけよう終わり