映画「たねと私の旅」上映会のお知らせ

Rebooting

 カナダは、日本と違って、遺伝子組換え表示制度がありません。このことに疑問を感じた一人のカナダ人女性が、その仕組みに、率直な消費者としての疑問をぶつけ、なぜそうなのかに迫っていきます。映画の中では、種と食を大切にしてきた母親と過ごした心温まる思い出が、その矛盾を際立てていきます。遺伝子組換えの仕組みだけでなく、映画の中で、たびたび登場する母のおいしそうなレシピも見逃せません。

 遺伝子組換え表示制度がある日本ですが、2023年4月からは新しい制度に変わることが決まりました。またゲノム編集食品の表示は見送られることも決まりました。カナダは、映画を通じて、改めて食品における表示のあり方や食のあるべき姿を考える上映会に参加しませんか?

 上映後には、静岡藤枝市で、有機農業を営み、オフグリッドソーラーの家に暮らし、風土の豊かさに抱かれながら、米、野菜、お茶、人と地域をつないで生きる「ちぃっとらっつ農舎」の杵塚歩さんのお話を伺います。対話役は、日本唯一の募金で生まれた科学分析施設で、食の裏側を明らかにするさまざまな検査に関わってきた農民連食品分析センターの八田純人が担当します。小さな多様性のつながりに、溢れる未来を共有するトークです。

kinedzuka ちいとらっつ農舎 杵塚歩さん
静岡県藤枝市の茶農家の家で生まれ育つ。高校卒業後、アメリカの大学へ留学。卒業後に帰国して就農。 2019年から自分の目指す農業と暮らしの在り方をさらに追求するために「ちぃっとらっつ農舎」として独立。農薬・化学肥料を使わず、肥料も地域で循環する資源を利用する。茶、みかん、梅、大豆などの生産と、味噌、梅干し、そのほか旬の加工品など地域に昔から根付く農業と食を意識しつつ少量多品目を手掛ける。
kinedzuka 一社)農民連食品分析センター 八田純人
農民、消費者などの募金で生まれた農民連食品分析センター所長。2000年中国産冷凍ほうれん草の残留農薬問題を発見し、食品衛生法改定のきっかけをつくった。他に漢方生薬中に残留する農薬問題、遺伝子組換えナタネの自生現象、竹製品に使用される漂白剤問題、ディスカウント米はなぜ安いなど、農業と消費生活に密着した視点で体験型の情報を提供している。ほかに、屋上養蜂、自転車発電&果物シロップのかき氷屋、味噌・豆腐づくり指南などの活動を展開。

2019.9.9

あらすじ

 小さい頃から食いしん坊だったオーブは、母が作る愛情たっぷりの料理で育った。母は環境活動家でもあったが、もっとも力を注いだのは家庭菜園。娘たちに“食べ物の背景”を伝えたかったのだ。
 畑から収穫される豊かな実りが、台所でとびきりおいしい一皿になる至福のひととき。オーブは幼い頃から、畑と台所が大好きだった。
 大学に入ったオーブは、都市で一人暮らしを始める。大学では映像を勉強し、実家に戻っては、母が世話する美しい菜園のすがたを映像に収めた。
 都会での生活は、母の菜園が食品店代わりだったそれまでの生活とはガラッと変わった。オーブにとっては、“スーパーで食品を買う”という新しい体験でもあったが、一方で、「何を食べているのかわからない」という不安が常につきまとうのだった。
 奇しくもその年、最初の「GM(遺伝子組み換え)食品」が市場に出回る。多くの国が食品にGMの表示義務を設けたのに対し、カナダとアメリカは表示義務を設けなかった。除草剤を使っても枯れない大豆やナタネ、殺虫能力をもつトウモロコシ、種の壁を越える遺伝子組み換え……。
 母からは、GMについて書かれた本が度々送られてくるようになり、読み進めるうちに、企業が開発するGMのたねが急速に広がり、特許によって、農家が“たねを採る自由”を奪われていることを知る。実際に、実家に戻るたびに、周辺ではGMの大豆やトウモロコシが増える一方だった。
 何が起きているのかを知るべく、オーブはカメラを携えて外の世界へと向かっていった。(公式サイトより

監督:オーブ・ジルー
配給・宣伝:たんぽぽフィルムズ
原題:MODIFIED
2017年/カナダ・米国・フランス
英語・仏語/87分/カラー

 

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