遺伝子組換えナタネって何?

枯れ残ったナタネ

 遺伝子組換え作物は、細菌などから取り出したある特定の機能を持った遺伝子を、作物の遺伝子に組み入れたりして作られたものです。ナタネの場合、多くは除草剤を散布しても枯れにくくなるような耐性遺伝子を組み込んであります。(このほかにラウリル酸生産向上タイプなどがあります)

  • Monsanto社の販売する除草剤Roundup Ready(R)(成分名:Glyphosate/グリホサート)に耐性を持つRoundup Ready(R) Canolaタイプ
  • Bayer社の販売する除草剤バスタ(R)(成分名:Glufosinate/グルホシネート)耐性をもつLiberty Link(TM) Independenceタイプの数種
  • Bayer社の販売する除草剤Buctril(R)(成分名:Bromoxinil/ブロモキシニル)に耐性を持つWester-Oxy-235タイプ


日本にもあるの?

流通量グラフ

 主に油の原材料として、カナダやアメリカなどからたくさん輸入しています。この輸入されるナタネの中に遺伝子組換えナタネが混ざっています。(2014年の輸入実績をみる

税関名 数量(t) 金額(1000円)
東京 2963 218848
横浜 341936 22395586
千葉 290281 18846089
鹿島 179153 12400468
神戸 449420 29533257
宇野 11739 808352
水島 125723 8576556
大阪 5843 422490
名古屋 288397 19689310
清水 193729 12978411
四日市 77983 5110524
博多 124325 8598509
合計 2091492 139578400

ナタネの貿易統計検索方法
財務省貿易統計のページから検索ページに進み、「統計品別税関一覧表」をクリック、輸出入の指定を「輸入」に、統計年月日の指定を行い、品目の指定欄にナタネの統計品目番号である「1205.10-000」を入力します。ちなみに数量のMTは「Metric ton」の略です。つまりトン(1000キログラム)。財務省貿易統計


流通してもいいの?

 現在日本では、安全だという認可が下りて流通されています。いずれも品種としてはセイヨウアブラナというタイプです。

 日本で認可されている遺伝子組み換え生物を検索するにはここをつかます。(何も入力せず「検索」を押せば全部の生物がリスト表示されます)  J-BCHのLMO検索:https://ch.biodic.go.jp/bch/OpenSearch.do


日本でも栽培してるの?

 現在のところ、まだ遺伝子組換えナタネは日本では栽培されていませんが、2003年頃から日本の港などで自生が確認されています。多くの市民団体や行政、また農民連食品分析センターでも確認しました。


何が心配なの?

 政府が認可した遺伝子組み換え(GM)作物の中でも、特に菜種は他の近縁種の作物との交配による遺伝子汚染の危険性が心配されています。アブラナ科の植物の種類は多く、これらは交雑しやすいという性質を持っているからです。組換え技術によって組み込まれた遺伝子が、いつの間にか他のアブラナ科植物に入り込んでしまうかもしれないという懸念があがっています。


アブラナとセイヨウアブラナとカラシナの区別がつきませんが...

 調査の対象になるのは主にセイヨウアブラナですが、実際に採取してみようとして、紛らわしいものとして次の四種類があります。

  1. アブラナ(Brassica campestris 又は Brassica rapa)
  2. セイヨウアブラナ(Brassica napus)
  3. セイヨウカラシナ(Brassica juncea)
  4. ハナナ(Brassica rapa var.amplexicaulis)

 このうち、最もよく目にするのは、セイヨウアブラナとセイヨウカラシナ。アブラナとハナナはほとんど同じもののようです。アブラナ・セイヨウアブラナ・セイヨウカラシナは三種ともよく似ていますが、葉を見ると区別がつきます。


在来系ナタネ セイヨウアブラナ セイヨウカラシナ

    アブラナの葉は大きく円形で、茎はやや太め、色は淡い黄緑。葉の基部が完全に茎を抱く。
    セイヨウアブラナの葉は細長く、茎や葉が粉が吹いたように白くなる。葉の基部が茎を抱く。
    セイヨウカラシナの葉は細長く、茎はやや細め。葉の縁がギザギザしている(写真)。葉柄(葉の付け根の茎状の部分)がある。花の盛りは四月過ぎ、アブラナよりは遅い。河川敷などによく群生する。葉の基部は茎を抱かない。


ナタネについて教えてください

 ナタネ(菜種)の別名はアブラナ(油菜)、大雑把に言って菜の花と呼ばれます。アブラナ科植物は種類が多く、大根・キャベツ・カブ・白菜・カラシナ・わさび・小松菜などの野菜もアブラナ科です。中には菜種とよく似た花を咲かせるものもあります。

 一般的に菜種・アブラナというと、在来種のアブラナとセイヨウアブラナに大別されます。この他にも、観賞用に開発されたハナナ(別名:寒咲きハナナ・寒咲きナタネ という品種もあります。

 現在、日本で普通に見られるのは、セイヨウアブラナです。正確には、アブラナとセイヨウアブラナの交雑種で、ヨーロッパで見られるものとは違っているそうです。日本の気候風土に適応したもの、ということです。

 在来種のアブラナは、今では一部の山間地など、限られた地域でのみ見られるようです。ちなみに、在来種のアブラナの種子は褐色で、セイヨウアブラナの方は黒っぽいため、「赤種・黒種」と呼んで区別することもあります。

 在来種のアブラナが日本に渡来し、自生し出したのは、縄文時代から弥生時代にかけての頃です。燈火用に、燃料としての菜種油が使われだしたのが、江戸時代の少し前くらい。それまでは、胡麻・荏胡麻原料の油等を使っていたということです。特に菜種油が使われ始めてから、アブラナは、冬場の米の裏作として、農家の間で広く栽培されるようになります。

 時代が下って、明治時代に入ってから、より搾油量の多い品種として、セイヨウアブラナが紹介されると、これが従来のアブラナに代わって全国に広まっていきます。明治から大正・昭和の初め頃までは、農家の畑を埋め尽くして、菜の花畑が、日本中を彩っていたということです。

 戦中から戦後へと時代が移る中で、菜種は、燃料として、また貴重な栄養源としても、人々に重宝され続けます。 明治以降、石油ランプ・あるいは電灯が一般家庭に普及してきて、また戦後、中国やカナダから安い菜種が大量に輸入されるようになった後、日本での生産は次第に減少していきました。