Jul 20, 2011

奇形のナタネについて

ポスト @ 10:39:34 | レポート

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 放射性物質汚染による農作物への影響が毎日、ニュースを賑わわせています。 ニュースの数としては少ないのすが、汚染による自然界への影響などもじわりじわりと起きているのではないかと、心配がされています。

 そうした話題の一つに、奇形のナタネが福島で見つかったというものがありました。 放射性物質との直接の因果関係を結ぶ訳ではありませんが、仮にその影響で奇形が発生していたらどうしようという内容の話題となってい多くの方が話されていたと思います。

 今回見つかった個体について私も相談を受けました。  かつて、私たちの施設では、テレビ朝日で放送された「奇形タンポポ」について共同調査をおこなってきました。その時、おぼえたことを、もやっとした記憶程度でしかありませんが、簡単にまとめておこうと思います(正確な内容は玉川さんの本を読んでください)。

 植物奇形は国内には系統だってまとめられたデータが少なく、その原因はよくわかっていない分野の一つのようです。タンポポなどの場合、帯のように茎が巨大化、変形してしまうことから「帯化」などと呼ばれています。今回見つかったナタネもこうした植物奇形の一つと考えられます。

 テレビ朝日さんと、奇形タンポポの共同調査をおこなったのは2000年初め頃でした。スタートは、北海道にマイホームを買われた方がいたのですが、その家族が化学物質過敏症になり、それと同じくして、庭にたくさんの奇形タンポポが見つかるようになった、というものでした。

 こちらで、その庭の土壌を検査したところ、リン酸トリスという物質が検出され、これがその原因物質ではないかと推測がされました。リン酸トリスについては、その後、専門の先生の手で、誘発物質になるか、検証されたのですが、その結果は「白」であったようです。

 その後、奇形タンポポについて、遺伝の分野から研究をされた先生の話では、奇形を起こしたタンポポは、そのほとんどがセイヨウタンポポとニホンタンポポが交雑することでできた雑種が、戻り交配をした個体であることがわかったとのことでした。そうした個体は、環境影響に弱い特徴があるなどで、化学物質の影響などを受けやすくなり、帯化しやすいのではないかと考察をされていたように思います。

 結局のところ原因はよくわかってはいません。

 今回の奇形ナタネについてです。  これまで遺伝子組換えナタネの自生調査をしてきたなかで、数個体ほど、同様の奇形を発生しているものに出会ったことがあります。そうした経緯からも、放射性物質のみが原因で起きる現象ではないと考えられます。  写真の個体は、2009年4月29日に、私の家庭菜園で見つかった個体を記録したものです。今回話題になっている個体と同様の奇形を発生しているのがわかります。

 帯化を起こす原因はいろいろあるといわれています。  何らかの化学物質、病気、虫により傷を付けられたところから侵入した病害、ウイルス、代謝異常などが考えられているようです。先に挙げたように、外的要因に過敏な個体であれば、放射性物質などもあるかもしれません。今後の研究が待たれる分野です。

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