自転車発電機を作ろう(暫定版)

ひのでやエコライフ研究所のマニュアルを参考に、私が身の回りにあるパーツを組み合わせて発電できるようにしたタイプです。

はじめに

 自転車発電の始祖、ひのでやエコライフ研究所のマニュアルを参考に、あまり正しく動いているとはいいかねますが、身の回りにあるパーツを組み合わせて電気の知識があまりなくても手軽に発電できる方法を考えてみました。とはいっても、扱うのは電気です。12Vとはいえ、気をつけて扱わないといけないことを忘れないでください。また、発電には力がかかります。思わぬ力によって破損が発生したり、転んだりすることでけがをするかもしれません。自転車発電はとても楽しい取り組みです。是非事故やけがの無いように取り組んでください。

更新履歴

 [2016年5月24日]ダイナモとオルタネータで発電された電流を整流、安定化する電気回路の作り方を追加しました。これまでこのページではバイク用レギュレートレクチファイアを流用するわかりにくく、運任せな回路を紹介していましたが、ひのでやエコライフ研究所さんで公開されている回路図を元に、パーツ確保からくみ上げまでをまとめてみました(電気のど素人が知ったか顔で、です)。

発電の仕組み

 自転車発電はいろいろな方が取り組まれています。いずれもタイヤの回転を励磁された自動車のオルタネータに伝え、電力を取り出すという仕組みは共通です。

 オルタネータというのは、自動車などのエンジンの小脇に取り付けられている発電機です。自動車の場合では、エンジンの回転をベルトで伝えて、オルタネータの中にあるコイルを回転させることで発電しています。これをエンジンの点火やバッテリーの充電、車の中の電気機器で使用する電力としているわけです。

 この仕組みをぱっと見ると、単純にオルタネータを廃車などから取りだし、自転車のタイヤでぐいぐい回せば発電できるような感じがしてきますが、現実はそうはいきません。ただオルタネータのシャフトをぐいぐい回しただけでは電気は起こせないのです。ここが、電気が苦手な人にとっては、むずかしくなかなかやっかいなところなのです。

 ただ回しただけでは発電できない、これはオルタネータの仕組みによります。ちょっと、基礎的なところに戻ってみましょう。自転車発電をしようと思ったあなたなら、もうすでにモーターと発電の関係はご存じだと思います。モーターは電気を流すと回転し、逆にモーターをぐるぐる回してあげると電気が取り出せるという仕組みです(実際はもっとシビアですが)。オルタネータの仕組みはこのモーターと発電の関係に似たようなものです。だだ、大きく違っているところがあります。それは磁石の部分です。モーターは永久磁石を使っていますから、ただ回せば発電ができることになるのですが、オルタネータは永久磁石を備えていません。かわりに電磁石というものが備わっています。電磁石は電気を流すことで作られる磁石です。まず最初に電気がなければ、電磁石を作ることができず、つまり発電もできないということなのです。

 オルタネータは電磁石が磁石として機能しないと発電できません。オルタネータを回転させて、電気を作るためには、まず、オルタネータの中にある電磁石部分に電気を流して、電磁石を元気にしてあげることから始めなければいけないことになります。

 多くのサイトを見ると、自転車発電にはかならずオルタネータの他に自転車用の小さなダイナモが出てきます。なんでわざわざという気がしますが、この小さなダイナモは、オルタネータに電磁石を作るのに必要な電気を送るために使われているのです。

 まず、自転車をこぎ、自転車用のダイナモを回転させ6Vの小さな電気を作ります。この電気は発電の中心であるオルタネータの中に電磁石を作るために使いますが、この電気はそのままでは交流のためオルタネータでは使うことができません。そこで、これをブリッジダイオードやダイオードという小さな電子回路につなぎ、整流と直流化をします。こうしてできた電気をオルタネータに流すと、オルタネータの中にある電磁石が励磁します。この状態でオルタネータを回転させてはじめて、12V系での発電が始まります。オルタネータは回転を速くすればするほど、大きな電気を作ることができますから、自転車をこげばこぐほどいろいろな機械を動かすことに使えるでしょう。

 ただし、このオルタネータで作られる12Vの電気では家庭にある機械は動いてくれません。そこでこの発電した電気をDC-ACコンバータという装置に入れて、私たちが普段使っている100Vに変換してあげれば、ある程度の大きさの家電を動かす電気として使うことができる、というものです。

必要な材料

普通の自転車

 こぐときチェーンでけがをしないようにチェーンカバーがあるものがよいです。あとロードスポーツタイプのようにタイヤが細いものはタイヤの摩擦が稼げないのと、タイヤやフレームに無理がかかるので避けておいた方がよいです。

 写真の自転車は20inchのBMXに市販のチェーンガードを取り付け、いすの高さをMAX迄あげた状態のものです。

自転車用ワークスタンド

 高いものでなくても大丈夫。しっかりとしていてぐらぐらしないように固定でき、後輪がちゃんと浮くものがよいです。MINOURA社製のものが丈夫、安価でした。ここでは生産終了になっていますが、特売になっていたSS-600というモデルを使っています。手が器用な方ならホームセンターで売られているアングルを組み合わせて作ってもよいでしょう。

自転車用ダイナモ(可能ならブロックダイナモ)

 ダイナモにもいろいろと種類がありますが、ここではタイヤやリムに回転する部分を押しつけて発電するタイプのダイナモを使います。ブロックダイナモは、ちょっと値段が高いことと、ゴム部分が摩耗して減っていくことを除けば、回転が軽く、ゴムにより摩擦も稼げるため、扱いやすいです。また試していませんが、最近はLEDを使っているタイプのものもあります。LEDが点灯するということは、発電する電気の直流化がダイナモ内でできていると考えられますからひょっとしたら整流回路を用意しなくてもよくなるかもしれません。

 贅沢なところでハブダイナモという選択肢も考えられますが、はじめからハブダイナモ内蔵の自転車をお持ちでなければ、かなり高くつくことは確かです。

自動車の中古オルタネータ(ここでは12V)

 なんだかよくわからない名前ですが、ようは自動車に搭載されている発電機のことです。オルタネータは近所の自動車整備をやっているところなどに頼んでおくと簡単に手に入れることができると思います。そうでなければ、Yahoo!オークションなどでも入手することができるでしょう。自転車発電に使うのですから、ちゃんと動くものであれば高くなくてかまいません。

 

 

 

 自転車発電では、オルタネータのコネクタにある端子のうちBとIGと呼ばれる端子を利用します。たいていB端子は丸く、銅色のものがにょきっと生えています。その端子の根本には「B」と書いてあったりします。IG端子はちょっとわかりにくいです。オルタネータのどこかに四角いコネクタが刺さる場所があるはずですので、まずそれをさがします。コネクタをのぞき込むと4~6本の端子が見えます。この中のどれかがIG端子にあたります。これから作業をするにあたり、この中のどれがIG端子なのかわからないと、自転車発電を作るのには博打性が高まります。

 

 

 購入するときはどれがIG端子なのかわかるものを選ぶようにします。DENSOさんのオルタネータの場合は、外側のシール部分に、オルタネータのコネクタ端子がそれぞれどんな意味があるのかが書かれていますのでわかりやすいです。

 入手するときには可能ならオルタネータに刺さっていた配線も一緒にもらっておくと、その後の加工がスマートになると思います。

 また、車の動力をベルトで受け取り回転するパーツをプーリーと呼びますが、ここにもいくつか種類があります。あなたが、単純に自転車のタイヤを押し当ててこのプーリーを回す方法で自転車発電をしたいのなら、形状が3本溝や4本溝のタイプを選んでおきます。もし、もうすこし動力の伝え方を工夫できる能力や工具を持っている人なら、Vベルト型のものでもよいように思います。

バイク用のレギュレートレクチファイア(12V)

 このパーツは、自転車のダイナモから取り出した6Vの電力を整流し、直流化、パンク防止する働きがあります。多くの自転車発電を解説するサイトでは、ダイオードやブリッジダイオードという回路などとして紹介されている部分に当たります。世の中には、乗らなくなったとか、別のところが壊れたという理由で、ただ捨てられていく車やバイクがたくさんあります。車やバイクも、自転車発電と似た仕組みで発電や充電をしているので、そのパーツを使わない手はありません。車やバイクは日本の信頼高い技術を惜しげなく投入されているものですから、もっと製品寿命を生かしてあげましょう。

 ここではバイク用のレギュレートレクチファイアを使用しています。はっきり言ってしまえばあまりただしく動作させられるとはいえないのですが、一つの試みとして使っていると思ってください。

 バイク用のレギュレートレクチファイアにはいくつか種類があります。まずは電圧です。6V系と12V系があります。ここで使いたいのは12V用です。いまスクーターでも12Vのものがほとんどですから、よほど古いものでなければ間違えることはないと思います。

 次に、確認しておきたいのは端子の数です。レギュレートレクチファイアのコネクタ部分をのぞき込むと、端子が6本のタイプと4本のタイプに分かれるはずです。ここでは6本のタイプで製作をしています。
 近所のバイク屋さんに頼んでおいたり、Yahoo!オークションで検索すれば簡単に手に入れることができるでしょう。

発電用整流・安定化回路(追記)

 ダイナモとオルタネータで発電された電流を整流、安定化する電気回路です。これまでこのページでは、上記のバイク用レギュレートレクチファイアを流用するわかりにくく、運任せな回路を紹介していましたが、ひのでやエコライフ研究所さんで公開されている回路図を元に作成した電気回路を利用する方法もあります。まとめる機会がなくて、ほったらかしにしていましたが、重い腰がちょっと上がったので、まとめておくことにしました。バイク用のレギュレートレクチファイアか、この回路のどちらかを利用することで、自転車発電を行うことができます。

 半田ごてやニッパーの扱いに慣れていれば、秋月電気さんなどの通販サイトでパーツを集めることで、かなり安く作ることができるでしょう。

 回路作成の詳細は別ページにしました。挑戦してみたい方は、以下のリンクをクリックして参考にしてみてください。

 自転車発電用整流・安定化回路の作り方

 

シガーソケット

 車のたばこに火をつける装置、あれがシガーライターです。そしてシガーライターが収まっている筒がシガーソケットに当たります。自転車発電で発電した電気をあれこれ融通の利くように使うには、シガーソケットをつけておいた方が何かと便利です。オルタネータから配線を取り回し、その先っぽにシガーソケットを取り付けておきます。このシガーソケットにインバータを刺せば、家電を使うことができますし、車用の携帯発電機をさせばそのまま携帯の充電に使うこともできるでしょう。

 オートバックスやイエローハットなどの車用品店に行けば簡単に入手することができます。

自動車のシガーソケット用AC-DCインバータ(12V用)

 オルタネータで作られる電気は直流の12Vです。一般家庭で使われる電気は交流100Vです。自転車発電で作った電気は、そのままでは家電を動かすことができないことになります。この電圧の違いを変換してくれるのがインバータです。

 インバータにもいくつか種類があります。12V用24V用という電圧による違いはもちろんですが、それよりも変換形式によって大きく分けられます、正弦波タイプと擬似正弦波(短形波)タイプです。

 簡単に説明すると、正弦波のタイプは、作った電気を家庭の電源コンセントから取り出せる電気の波の形とほとんど同じ形にして出力してくれるタイプ、擬似正弦波のタイプは、なんとなく正弦波っぽく見えるように電気の波の形を整えて出力してくれるタイプです。精密な機械や電気に敏感な機械、出力のでかいモーターなどを使う場合は、電気の波形の影響を強く受けますから正弦波タイプのインバータを使用した方がよいです。ただ正弦波タイプはものすごく高いです(自転車が何台も買えます)。自転車発電で動かす機械は、テレビ、ライト、ラジカセ、イルミネーションなど単純なものが多いですから、擬似正弦波のもので大丈夫だと思います。モーターがついている機械は、正弦波を好みますが、自転車発電で取り出せる電力程度で動く小さなモーターなら、擬似正弦波でも、今のところ動いてくれています。
 インバーターも様々な種類がありますが、自転車発電だけで使うのであれば、あまり多機能なもので無くてよいと思います(もちろんせっかく投資するので使わないときはマイカーでっていうの考え方はありだと思います)。外付けの箱みたいなタイプもありますが、ここではもっとシンプルなシガーソケットにそのまま刺して使うようなもののほうが融通が利くと思います。その理由は、それなりにしっかりしたインバーターはバッテリーが干上がってしまわないように、電力が低下したとき電気の使用をストップする保護回路が入っているからです。こうしたタイプのインバータを自転車発電で使うと、こぐ力が弱まったとき、「あ、バッテリーが干上がりかけている」とインバータが判断して、回路を遮断してしまいます。こうなると、動かしたい機械に電気が送れなくなってしまい、止まってしまい面倒だからです。

 このほか、購入するときは対応電力量にも気をつけます。いったい何ワットの電気まで使えるインバータかということです。小さい電力のものをかうと、大きな電気を使う機会をつないだときに切れてしまいます。自転車発電で作ることができる電力はせいぜい100W程度とおもえばよいですから、必要以上に大きなものを買う必要はありません。ここでは80Wの小さなインバータを利用しています。

 モーターなどのついた機械を使うときには、起動電力や突入電力などとよばれるややこしい問題もあり、少し大きめのものを備えておく方がよいです。

キャパシタ(贅沢)

 自転車でオルタネータを利用して発電する電気は、ペダルを踏む強さなどにより強くなったり弱くなったりと不安定です。当然発電の効率が落ちます。これはこれで、自転車発電につないだ家電がついたり消えたりするので、おもしろいと思いますが、ある程度、ちゃんと機械を動かしたいなら、オルタネータと使用する機器の間に、蓄電する装置や回路を入れた方が、発電する側も楽になります。オルタネータの電磁石も安定して動作するので発電もしやすくなります。

 自転車発電を作っている人たちの間では、この問題の解決のために、コンデンサという電子回路を組み込むことが多いです(バッテリーを入れることもありますが、バッテリーを入れると蓄電した電気で普通に機械が動いてしまうので、ちょっとつまらない)。コンデンサは、値段も安いですし、その容量を理解でき、電気回路や半田ごてを利用するのが得意な人はこうした回路を組むとよいと思います。
 ここでは、未来の蓄電装置として期待が集まっているキャパシタを利用しています。値段もかなり高く、目が飛び出そうになりますが、こうした分野に力を注いでいる方への投資と思って使ってみることにしました(たった1個でえらそう笑)。半田ごてもいらず、プラスマイナスを間違えずにつなぐだけですので簡単です。ここで使用しているのは、値段が安く、事故に対する考え方や対策もできていると判断できたROSSAM社の完成品です。単価的に一番安かった電動自転車用キャパシタED-106を利用しています。

FILCOS SHOP ROSSAM直営公式販売サイト:http://www.filcos.net/

接続用ギボシ、平型端子、鍬形端子類

 配線と端子をつなぐために、ギボシなどを利用します。エーモンという会社の製品をよく使っています。購入はオートバックスやイエローハットなどでできます。エーモン製は、車での用途を考えているため、防水チューブがついていることと、これにより外れにくくなるのが特徴です。ホームセンターの電気コーナーにも丸形端子やギボシはあります。こちらは家屋内の配線用などで数も多く値段も安いです。いずれにせよ、自転車発電は、イベント会場に持ち運ぶこともありますから分解がたやすいこと、配線が不意に引っ張られたりすることがあり得ますので、配線が簡単にできること、抜けにくい、などの工夫はいります。

 買う端子の形や大きさですが、平型端子(レギュレートレクチファイアの端子と同じ大きさ)と鍬形端子6mm(おもにB端子と接続するとき使う)、ケーブル類の取り回しにはギボシ端子を使います。

金属製アングルやネジ、木ねじ類、固定用の木の板

 自転車発電で、地味に課題としてのしかかってくるのが、オルタネータを固定する方法です。自転車の回転を受け止めるオルタネータをしっかり固定するには工夫が必要になります。えいやっと踏ん張ったときに、うっかりした固定の仕方だと壊れてしまうこともあります。棚をくみ上げるアングルはホームセンターなどで購入できます。

 

 

 

 オルタネータの固定にはL字金具を使います。これもホームセンターで容易に入手することができるでしょう。

電線

 電線にもいろいろと種類があります。おおむね太さが1.25sq程度のものを5mほど用意しておけば、全体を組み立てるのには十分使える量でしょう。ホームセンターの電気コーナーに行けば量り売りで入手することができます。

必要な道具

テスター(必須)

 自転車発電を完成させるにはテスターが欠かせないといえます。発電しているのかどうかを目で見ることができるだけでなく、通電していないのか、配線が間違っているのかなどを確認するのに役立ちます。特に、組み立てを始めたばかりの時は手探りの作業が多いのであるのとないとではストレスが違います。デジタル表示のものとアナログ表示のものがありますが、どちらでもかまわないです。

電工ペンチ

 ギボシをきっちりと固定するには必要です。値段はピンキリです。ここで行う作業では高いものは必要はありませんので、よくホームセンターで電工ペンチとギボシがセットになって売られているような安いものでかまわないと思います。

ドライバーやレンチやペンチ

 木ねじを締めたり、オルタネータを固定したりするためにはいくつかの工具が必要になります。

しっぱいにまけないときめくこころ

 電気に詳しくなければ、自転車発電はすんなりと完成まではたどり着けないと思います。単純に発電が起こらなかったりするだけでなく、パーツが足りない、工具が足りないなんてことでくじけそうにもなります。でも、きっとうまくいくと胸ときめかせてがんばってみてください。

作成手順

1.オルタネータの場所を決める

 まず、自転車をワークスタンドにのせます。次にタイヤがちょうどよい場所に来るように木製ボードをセットします。おおよその位置を決めたらオルタネータを持ってきて、オルタネータの回転するところ(プーリーといいます)がぴっちりとタイヤに接触する場所を探してあげます。決まったらオルタネーターの場所をペンなどで印をつけておきます。

 ボードは自転車の回転によって後ろ向きのに力がかかるので、その力に踏ん張るように後ろ側を長くしておく方がよいです。

2,L字金具を固定する

 先ほど決めた場所に合わせ、L字金具を木ねじで取り付けます。

3,オルタネータを固定する

 ここでは120mmのボルトで固定しています。L字金具や取り付け方はオルタネータの形によって違っていますので、それにあわせた工夫をしてみてください。

4,自転車用ダイナモの位置決め

 励磁用電力を作る自転車用ダイナモの位置決めをしていきます。ダイナモのレバーは起こしたままでおおよその位置決めをし、使うときにレバーを倒したとき、ぴっちりとタイヤと接触する場所が理想です。

 写真の雰囲気だとちょっと遠いぐらい。

5,アングルを固定し、ダイナモを取り付ける

 ダイナモは、使用する自転車が変わると、位置を動かさないといけなくなることが多いです。長めのアングルに取り付けを行い、自転車が変わったときは場所をずらしたりできるようにしておくと便利です。

 なかなか場所を決めるのが難しいですが、とりあえずまず、アングルにダイナモを固定してからのほうが楽です。

6,自転車用ダイナモの配線をつくる

 自転車用ダイナモのほうを見ると、ちょっとした出っ張りがあって、そこにライト側から電線がつながっているはずです。この端子はたいていの場合、スプリングになっていて、下側から、ぐいっと押すと電線を抜くことができます。もともと刺さっている電線を抜いて、そこに新しく用意した赤い電線を挿します。長さは、オルタネータまで届くぐらいの長さにしておきます。はじめから刺さっていた黒い方のケーブルには、白または黒の電線をつないで延長しておきます。長さはやはりオルタネータまで届く程度です。

 

7,自転車用ダイナモに取り付けたつけた電線に平型端子をつける

 自転車用ダイナモから引き回している電線の先に平型端子を取り付けます。平型端子の大きさは、レギュレートレクチファイアのコネクタの中にある端子と同じ大きさのものを使います。

8,レギュレートレクチファイアに端子を接続する

 レギュレートレクチファイアに自転車用ダイナモの端子を刺していきます。どの端子にどれを刺せばいいかは事前に確かめておく必要があります。これが一番難しいです...。
 写真のような6つ端子があるタイプは、たいてい3つが、もともとバイクのオルタネータに刺さっていた端子です。残りの3つは、プラス端子、マイナス端子、制御端子です。
 どれがどれに当たるのかを見つけるのはなかなか難しいですが、まずコネクタの根本を見てみましょう。少しだけケーブルが露出していて、どの端子にどの色のケーブルがつながっているのかがわかるはずです。同じ色のものが3本あれば、それはオルタネータにつながっていた端子と考えていいと思います。赤のケーブルがあれば、それはプラス端子、黒のケーブルはマイナス端子になると思います。残りの一本は制御用です。もちろんケーブルの色はメーカーによって違っていますから、入手したレギュレートレクチファイアによって確認が必要ですが、おおむねプラスの赤端子、黒端子は同じなのではないかと思います。

 コネクタに3本とも色が同じ端子を見つけたら、自転車用ダイナモのプラス端子とマイナス端子を刺します。3本あるうちどれにどれを刺してもかまいません。

 最終的に、自転車発電の製造において、ここが疑心暗鬼の材料になります。

9,レギュレートレクチファイアからマイナスとプラスを取り出す

 次に、レギュレートレクチファイアからオルタネータに届く長さの電線を新しく用意します、その一端に平型端子を取り付けます。この端子を、レギュレートレクチファイアに差し込んでいきます。

 差し込む場所は、赤色の電線は、レギュレートレクチファイアの赤色のケーブルがつながっている端子に刺します。黒(写真では白)の電線は、レギュレートレクチファイアの黒のケーブルがつながっている端子に刺します。

10,レギュレートレクチファイアのプラス端子から来たケーブルをB端子につなげる

 赤い電線のもう一方に丸形端子か鍬形端子をつけ、、オルタネータのB端子につなぎます。

 

11,レギュレートレクチファイアのマイナス端子から来たケーブルをオルタネータのボディにつなげる

 レギュレートレクチファイアのマイナス端子から取り出した白い電線のもう一方に丸形端子か鍬形端子をつけ、、オルタネータのボディのどこでもかまわないのでネジをゆるめてつなぎます。アルミのケースで覆われている側の小さなネジをゆるめて取り付ければ楽だと思います。

 

12,短めの赤い電線を作ります。

 赤い電線を5cmほど切り出し加工します。この電線は、オルターネータのB端子とIG端子を結ぶためのものです。B端子側になる方には丸形端子か鍬形端子を取り付けます。IG端子側になる方は、ここでは平型端子を取り付けてありますが、お使いのオルタネータの状況によって端子の形を変える必要があるでしょう。オルタネータを入手するとき、IG端子周りのコネクタを含む配線も入手できていたらもっと作業は楽になると思います。

13,短い電線でB端子とIG端子を結ぶ

 先ほど作成した短い電線の、丸形端子側をB端子に取り付けます。ここにはすでにレギュレートレクチファイアからきた端子もつながっているはずです。

 

 

 

 

 

 もう一方はオルタネータの四角いコネクタ内からIG端子を見つけてつなげます。差し込んだとき他の端子に触れないように気をつけます。写真では、コネクタをのぞき込むと4本の端子が見つかります。ボディに張られたシールを元に、どの端子がどの働きをするのかを確認すると、この写真で右下に当たる細い端子がIG端子であることがわかりました。オルタネータを入手したとき、コネクタ類も一緒に入手できていたらそれをそのまま流用すると楽になります。

14,キャパシタを用意する

 キャパシタの端に、丸形端子か鍬形端子を取り付けます。

15,キャパシタをつなげる

 キャパシタのプラス側(赤い電線)をオルタネータのB端子につなげます。すでにB端子にはレギュレートレクチファイアのプラス端子、IG端子とB端子を結ぶ端子がつながっているはずです。

 キャパシタのマイナス側(黒い電線)をオルタネータのボディにつなげます。適当にネジをゆるめて取り付けます。

16,1~2m程度の電力取り出し用電線を用意する

 オルタネータで作った電気を取り出す電線を用意します。あまり短いと、自転車から離れたところにおいている電気機器に電気を届けることができなくなりますので、そこそこ長くしておきます。

 電線の一方はオルタネータにつなげるため丸形端子か鍬形端子を、もう一方はシガーソケットを取り付けるので、ギボシを使っておくとよいと思います。

17,電力取り出し用の電線を接続する

 電力取り出し用電線のプラス側(赤い電線)はオルタネータのB端子に接続します。これでB端子には4つの端子が集まっているはずです。

電力取り出し用電線のマイナス側(ここでは白い電線)はオルタネータのボディにつなげます。適当にネジをゆるめて取り付けます。これまでの作業で、他の端子がついているところでもかまいません。

18,B端子をネジで固定します

 B端子にはレギュレートレクチファイアのプラス端子、IG端子とB端子を結ぶ端子、キャパシタの端子、電力取り出し用電線の端子と合計4つがつながっているはずです。この後とれてしまわないようしっかりとネジで固定しておきます。

 ボディに接続したマイナス側の端子類も発電中にとれてしまわないように、しっかりとネジを締めておきます。

19,電力取り出し用電線とシガーソケットを接続する

 電力取り出し用電線につけたキボシのプラスとマイナスが正しく接続されるようにシガーソケット側にもキボシをつけます。この向きを間違えると、インバーターが壊れたりしますので注意が必要です。

 ちゃんとB端子からきた赤い電線はシガーソケットのプラス(赤い電線)に、ボディーから来た黒い電線はシガーソケットのマイナス(ここでは黒い電線)につながるようにします。
あとキボシはかしめる前にチューブを通しておくのを忘れないように。私はだいたい忘れていて、がっかりします。

20,発電機完成

 あとは、シガーソケットにインバータを差し込めば完成です。

発電してみよう

1,テスターを接続しておく

 発電の状況を把握するため、シガーソケットのプラス端子とマイナス端子のところにテスターをつないでおきます。

2,テスターの測定モードを設定

 自転車発電で発電される電気の電圧は15V程度になります。この電圧を測定できるようにテスターの測定モードをを直流(DC)20Vまたは200Vに設定します。

3,発電開始

 ガムテープでハンドルにテスターを固定します。固定したらゆっくりとペダルをこいで発電を開始します。はじめは自転車のダイナモだけから発電されてくるので、なかなか電圧は上がっていきません。このとき発電された電気は、徐々にキャパシタに貯められていきます。なかなか電圧が上がっていかないので、不安になりますが、慌てずにこいでいくと、電圧が6~7V位まできます。このぐらいの電圧がとれるようになれば、いよいよオルタネータの電磁石が励磁を始めます。電圧が8V位にまで到達すると、突然ペダルが重くなり、電圧が一気に12Vぐらいまでジャンプします。これがオルタネータで発電が始まった合図です。

 ついついたくさんの電気を作りたくて、急いでこいでしまいたくなりますが、少し気を落ち着けて、この重さを維持するように、ペースを守って力強くこぎ続けることが安定した発電のこつです。安定して発電ができているときは、テスターには12~14V程度の数値が表示されているはずです。

4,家電が動き始める

 オルタネータで発電が始まれば、つないでおいた家電が動き始めるはずです。テレビをつないでいれば、映像がでてくるでしょう。自転車発電で発電できるのは、おおむね100Wを越えない程度の家電が中心になると思います。それより大きな機械を動かすのはかなり難しそうです。

4,ちょっとしたこつ

 小型かき氷機などのモーターを動かす家電は、かならずオルタネータの発電が安定してからスイッチを入れるようにします。まだ発電が始まっていないのにスイッチを入れてしまうと、オルタネータの電磁石を作るための電気もモーターが消費してしまい、いつまでたっても発電が始まらないことになります。テスターを見ながら、12V以上の電圧があることを確認してからスイッチを入れるようにすると、人間がばてずに済みます。