1996年、食品として認可された遺伝子組換え作物は、様々な製品の原材料として利用されるようになっていきました。流通が始まって、6年後の2002年には、遺伝子組み換えでない食べ物を選びたいという消費者運動が実り、日本でも遺伝子組換え作物の表示義務制度が始まりました。この表示義務制度はEU等と比べれば不十分な内容でしたが、今日も、私たちは食品購入の目安として利用しています。
私たちは、まだ表示義務制度が始まる前の1999年、使用実態の把握と表示義務制度確立の後押しを目指し、募金によって導入した遺伝子組換え食品検査システムを使い、市販されているスナック菓子製品について調査を実施しました。その結果、複数の製品から遺伝子組換えトウモロコシを検出しています。
食品としての認可が始まってまもなく20年、表示義務制度は14年、あらためて、原材料にトウモロコシを使用しているスナック菓子類を中心に、遺伝子組換えトウモロコシの代表的品種系統が、検出されるかについて調査をおこないました。
表1に示すように、26製品のうち7製品から組換え遺伝子を検出しました。
*結果は本試料についてのみ有効で、製品全ての組換え、非組換えを保証するものではありません。
品目 | 国名 | 2014年の作付割合% | 日本の輸入割合%(2013年) | 日本の自給率%(2013年) | 食卓に出回る割合%(2013年) |
---|---|---|---|---|---|
トウモロコシ | アメリカ | 93 |
44.8 |
0.0 |
73.6 |
ブラジル | 68 |
30.4 |
|||
アルゼンチン | 85 |
13.3 |
|||
大豆 | アメリカ | 94 |
60.1 |
6.0 |
84.3 |
ブラジル | 88 |
23.5 |
|||
カナダ | 94 |
13.7 |
|||
ナタネ | カナダ | 95 |
93.8 |
0.0 |
89.1 |
綿実(食用) | オーストラリア | 99.5 |
94.6 |
0.0 |
94.1 |
品目 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
飼料用(千トン) | 700 |
500 |
400 |
300 |
280 |
280 |
260 |
食品用(千トン) | 3000 |
1850 |
1650 |
1450 |
1250 |
1150 |
1100 |
飼料用シェア(%) | 6 |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
食品用シェア(%) | 83 |
50 |
45 |
41 |
38 |
34 |
33 |
「遺伝子組換え大豆不使用」表示のある大豆製品分析結果(2004/07/14)
トウモロコシを使ったスナック菓子の分析結果(1999/11/08)
私たちの調査活動は、募金で運営されています。支援をお願い致します。
現在、遺伝子組換え作物の混入率までを検査することができる「リアルタイムPCR装置導入募金」を開始しています。世界では、経済性と効率化、企業のもうけのみを追求する強権的な貿易システムが推し進められようとしています。生命の営みとそのつながりを尊ばない食糧供給システムの流れに、分析と調査と人々のネットワークの力を使い、私たちは抗いたいのです。お力をお貸し下さい。
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農民連食品分析センター
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