リンゴの黒星病防除に対応した残留農薬検査の紹介と生産者支援割引きについて

　リンゴの黒星病が猛威を揮っています。その防除のため殺菌剤の散布量と生産者の労働力と費用負担が増加しています。散布した農薬の適正性を評価し、生産者を支援するための黒星病防除に対応した検査についてご案内します。また防除に奮闘されている生産者を支援する残留農薬検査割引き制度を9月より開始しました。防除などで費用負担に苦労されている生産者のみなさんのお役に立てば幸いです。

　リンゴの黒星病は、カビの仲間であるVenturia inaequalisが葉、果実、新梢に発生して、黒色の病斑を形成する病害です。主に葉に発生する病気ですが、深刻化すると、果実でも発病し、紫黒色の斑点と共に、奇形果や裂果となり、商品として販売することができなくなってしまいます。

　植物体が濡れている状態によって感染が広がるため、リンゴの産地では、気象データから感染発生状況を予測する予測モデルが稼働しています。2018年、生産地では、この予測モデルの発報する警報にしたがい、薬剤散布を行い、防除と被害拡散に努めてきましたが、黒星病が深刻なレベルで発生しており、例年に比べ防除薬の散布量が増えているとされています。

　防除は、農薬取締法に基づき行われているため、食品衛生法を超過するリンゴが生産される恐れは低いと考えられますが、散布回数の増加により、生産されるリンゴの残留農薬状況に安心を得たいと考える生産者や消費者、流通業者がおられると思います。リンゴ黒星病の防除に使用される農薬について、農民連食品分析センターでの検査対応状況をご紹介しますので、ご参考下さい（対照表）。

　検査が終了しますと報告書をお送りいたします。黒星病防除で使用した農薬の残留状況について、健全性をご説明するのに、お役立て下さい。

　なお、今回の発生状況は、非常に深刻なもので、その防除にかかる費用負担が深刻であるとの報告がありました。このため、被害を受けているリンゴ生産者につきましては、生産者を支援するため、特別な受託費用（農民連会員価格相当）で検査をお引き受けすることにしました。リンゴ生産者以外の方は、通常の価格設定での受託となりますが、ご事情などに合わせ、対応できる可能性もあります。お気軽に相談下さい。

　また、この支援制度は、2018年のリンゴ生産に関連するケースのみに適用されます。

2018.10.12